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楽天モバイル、頼みの綱の衛星商用化は2025年までに実施 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.505

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2023/02/25(vol.505)

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《目次》

1.楽天モバイルが2024〜2025年にも衛星サービスを開始へ

----世界で期待される衛星通信、MWCで進展はあるか

2. 公取委が「1円販売」を不当廉売の恐れがあると結論

----キャリアは自分たちで自分の首を絞めているのではないか

3.3月中にも開始のKDDIとソフトバンクによる「デュアルSIM」

----MVNO関係者が「一つの番号で提供なんてできるのか」と半信半疑

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.楽天モバイルが2024〜2025年にも衛星サービスを開始へ

----世界で期待される衛星通信、MWCで進展はあるか

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楽天モバイルは2月22日、法人向けイベント「Rakuten Mobile Partner Conference」を開催した。

基地局建設を行うパートナー向けのイベントのようで、これまでの楽天モバイルの取り組みなどが改めて語られた。

目新しい話はほとんど無かったが、ネットワーク関連で矢澤俊介社長からプラチナバンドの展開について「スケジュールは出ていないが、今年の年末から来年の年初には使いたい」とかなり具体的な日程が明らかにされた。

AST社の衛星を使った「スペースモバイル」に関しても「商用化は2024〜2025年を目指す」とした。

衛星を使った通信に関しては単に衛星を打ち上げればいいというものではない。先日、某社の技術イベントでHAPS関係者にも聞いてみたが「衛星から飛ばす周波数帯は新たなものを用意しないといけない。地上で使っている周波数帯と同じだと干渉してしまう」とのことだった。

楽天モバイルは総務省に提出している資料を見る限り、1.7GHz帯を使うものと思われる。このあたりの干渉をどうするのか、気になるところだ。

また、低軌道衛星を打ち上げると言うことで、単に1機だけでは無く、相当数、打ち上げないことには継続的なサービス提供はできない。アップルの衛星SOSサービスは数十個の衛星で実現しているが、数に限りがあるため、常時、通信は行えず、SOSメッセージというかなり限定的なサービスしか提供できていない。

スマホを通常のように使えるほどの速度を確保するには、相当数な衛星を飛ばす必要がある。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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