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基本料ゼロ円のpovo2.0で解約率を改善させたKDDI 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.441

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2021/10/30(vol.441)

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《目次》

1.KDDI、UQモバイルに続いてpovo2.0投入で解約率が大幅に改善

-----ドコモ「エコノミーMVNO」には「すぐには対応しない」

2.KDDI、楽天ローミング収入は今年度でピークアウト

------プラチナバンド返上は「そう簡単な問題ではない」

3.NTTドコモがコミュニケーションズとコムウェアを子会社化

-----OCNモバイルONEはNTTレゾナント傘下に

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.KDDI、UQモバイルに続いてpovo2.0投入で解約率が大幅に改善

-----ドコモ「エコノミーMVNO」には「すぐには対応しない」

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基本料金ゼロ円のpovo2.0が成功しつつあるようだ。

契約者数は100万を突破。9月13日に行われた発表会の段階では90万程度とのことだったので、1ヶ月で10万件、獲得できた模様だ。

当初、あまりトッピングされないのではないかという見立てだったようだが、最初は半分、2~3週間後には3分の2から4分の3までトッピングの割合が増えたという。

また、povo1.0と2.0の平均をとると、UQモバイルよりもARPUが高いとのことだ。

KDDIでは当初、auブランドのモメンタムが落ちていることもあり、他社対抗としてUQモバイルを強化。ユーザーの流出を防ごうとしたが、それでも基本料金がゼロ円から始まる他社に流れるユーザーがいたため、povo2.0で基本料金をゼロ円を投入することで、止血に成功したようだ。

実際のところ、22年3月期第1四半期での解約率が0.83%だったのに対して、第2四半期は0.74に改善している。povo2.0の発表が9月13日、開始が9月29日だったことを考えると、第3四半期はさらに解約率が改善する可能性がありそうだ。

高橋社長は「povo2.0はまさにやりたかったサービス。モバイル界のDXというイメージ。povoに入ってもらったユーザーを、データで理解して、継続したアプローチをしてトッピングをしてもらう。今までは売っておしまいだったのが、売った後もつながっていくサービス。そういうサービスなので、個人的にも入れ込んでいる。大きく減益といったことにはならない」と語った。

ちなみに、NTTドコモが小容量を欲しがるユーザーに向けて「エコノミーMVNO」を開始している。その受け止めについて高橋社長は「我々にはBIGLOBEモバイルやJ:COM MOBILEなど、ターゲットに向けて用意したMVNOやプランがあるので、すぐさま何か対応するわけではない」とした。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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