LINEユーザー、スタンプ離れ?「仲の良い友達ほどスタンプは使わない」

私事ですが、最近、著作をテーマにしたLINEスタンプをリリースしました。

「察しない男 説明しない女」スタンプ

「LINEやってる?」なんて聞くのが野暮なほど、誰もが当たり前のように利用しているLINEは、国内では月間のアクティブユーザー数が6,400万人に達し、まさに欠かせないインフラと化しています。

スタンプ機能は種類が爆発的に増えただけでなく、「動くスタンプ」、「しゃべるスタンプ」が登場し、さらに最近では、画面いっぱいに「飛び出るスタンプ」も実装。私たちの日々のコミュニケーションを豊かにしてくれています!…と、言いたいところですが本当にそうでしょうか?

スタンプへのスタンスが変わってきた

はじめてLINEをインストールした頃、それまでのメールにはなかったスタンプ機能を使ってみたときの感動はいまでも憶えています。きっと多くの人が「これは面白い!」「楽しい!」と考えたことでしょう。

しかし、今やこれだけLINEスタンプが世に普及してしまった現在、スタンプは別の意味を持ち始めているようです。つまり、「会話を終わらせたり、なんとなく話題を流したりする時に便利な機能」という流れが生まれているのです。

実際、ある大学生Aさん(20)は相手によってスタンプを使う量が違うと語ります。

「スタンプは仲の良い相手ほど使わない」

キャンペーンなどで多種多量のLINEスタンプをダウンロードし、時には課金スタンプにも手を出している彼女ですが、「仲の良い友達ほどスタンプは使わない」と言います。なぜなら、仲の良い友達とは延々と続くLINEでも苦もなく文字を打てる、から。

確かに、相手のことをよく知らない段階でのLINEや少し距離の遠い友達とのLINEのときに、それらしいスタンプを使ってなんとなくその場を凌いでいるという経験が私にもあります。

スタンプといえば、肩肘を張らない、気心の知れた相手に送るものという常識から、純粋にコミュニケーションを楽しみたいと思える相手ほどスタンプを使わなくなり、逆に、どうでもいい相手こそ、スタンプを送るというのは新しい流れです。

先ほどの大学生は「早く会話を終わらせたい相手にはスタンプを多用してあしらうことがあります。しかも、本当に興味のない人にはわざわざ良いスタンプを選ぶのも面倒なので、無料スタンプしか使いませんね(笑)」とうそぶきます。

便利さに負けて言葉をサボらない

いっぽうで、会社員のBさん(25歳)は、意識的に「スタンプ断食をすることがある」と語ります。

「スタンプだけで楽にコミュニケーションしてると、なんだか怖くなるんです。言葉を失うというか、ジェスチャーに頼りすぎるというか。いざというとき、ちゃんとした言葉が出なくなるような気がして」

そのため、相手や期間を決めて、スタンプを使わないことを自分に課しているのだとか。「もちろん時間はかかるし、めんどくさくもなりますが、がんばって日本語を使ってます。いかにボキャブラリーが貧困になってしまったか、実感しますね」

メールには文章力が必要だった

メールの時代から日本人は顔文字を発明し、どの国の人よりも多くメールを交わしてきました。そういう意味では、文字や記号を使ってのコミュニケーションには長けている国民かもしれません。その頃はまだしも、「文字をやり取りする」という風習が残っていたわけで、メールにはある程度の文章力が必要でした。

ところがそこへ、あまりに手軽なチャットツールであるLINEが登場。その軽さに呼応するように、これまた圧倒的に手軽でかわいいビジュアルメッセージ=スタンプが席巻。文字を打つのが苦手な人でも、メールが苦手だったという人でも、難なくコミュニケーションが取れるようになりました。

実際、スマホのLINEになれている世代は、社会人になってPCを使ってビジネスメールを打つのがとても困難という話も伝え聞きます(いっぽうで、それ自体時代遅れな話で、仕事もLINEやチャットでやっている、という業界もあるようですが)。

LINEは永遠か?

さらに私の周囲では、「LINEでしかつながっていないのが怖ろしい」という危機意識も高まっています。「ある日LINEがなくなったら、どうやって連絡を取るのか」というわけです。

スタンプにしろ、LINEにしろ、ある特定の技術に依存するのは、危険なこと。いつなにが起こってもいいように備えておきたいものです。

とはいえ現実問題、すべてのLINE友達に「念のため携帯電話番号教えて」というのも、なにか物騒な話です。「ど、どうした?」と構えられてしまうでしょう。

……そうだ! 「いざというときのために番号教えてよ」「今さらだけどメアド交換しない?」というLINEスタンプがあれば、結構使う人、いるんじゃないでしょうか? どうでしょう?

【作家・心理カウンセラー 五百田 達成】