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メッセージングシステムの三国志状態ーカカオトークが本格参戦

小川浩株式会社リボルバーCEO兼ファウンダー。
カカオトーク新事業記者会見。キャラクターは土屋アンナさん

2012年12月11日。15時から開催されたカカオトークの新事業戦略説明記者会見に出席してきた。

先行するLINEに対しては、1-1の通話ではなく最大5人まで会話ができるというグループ通話機能を全面に押し出しつつ、LINE同様のスタンプやアプリなどを充実していくことで対抗するという。13日から始まるテレビCMも、イメージキャラクターである土屋アンナさんと、劇団ひとりとの、グループ通話をメインとしたクリエイティブになっている。さらに、国内の開発は、先日出資を発表したYahoo! Japanが協力し、相当人数の開発者をカカオトークの日本法人に投入しているようで、LINE追撃の準備は整っていると感じた。(とはいえ、勝てるかどうかはもちろん何とも言えないが)

Yahoo! JapanのCMO(マーケティングではなく、チーフモバイルオフィサー)である村上臣氏は、上記の戦略や開発体制に加えて、国内スマートフォン普及率がまだ30%に過ぎず、今後70%の伸び代があり、シェアの奪い合いはこれからだという認識を示し、市場自体の成長が味方する、という考えを述べていた。

これまでの携帯電話による通話とメール、あるいはSMSの代替手段として、スマートフォンにインストールした専用アプリを使った、ネットを介した無料通話(インターネット電話と言えばいいだろうか)x スタンプを多用するテキストメッセージの組合わせ的サービスは世界的に普及し始めている。草分けであるSkypeもまだまだ元気だが、日本国内でも競争が激化し始めており、LINEの一人勝ちを阻もうとする勢力が急に市場をにぎわせている。現時点では最強のLINE(by NHN Japan)に対抗するcomm(by DeNA)、カカオトーク(with Yahoo! Japan)の三強が覇権を争う図式、ある意味メッセージングシステム三国志が、2013年の大きな注目を集めることになるだろう。

ちなみにこのポストに利用しているトップ画像はRevolverが開発・運用する土屋アンナさん専用SNS 「ANNA's HEART」のワンカットだ。土屋さん(僕たちは ご本人の自称に合わせて、あんさんと呼ぶ)自身が毎日チェックし、コメントや写真のポストをしてくれている新しいSNSだが、これとカカオトークの組合わせをするというのは、案外面白い提携になるのではないかと思い、2013年には上記の三国志の中に割って入ってキャスティングボードを握りたいなどと、勝手に妄想している。

株式会社リボルバーCEO兼ファウンダー。

複数のスタートアップを手がけてきた生粋のシリアルアントレプレナーが、徒然なるままに最新のテクノロジーやカッティングエッジなサービスなどについて語ります。

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