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スマホか家庭用ゲーム機か…小中高校生のインターネット利用機器の利用実情(2024年更新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
子供たちがインターネットを利用する機器は(写真:アフロ)

子供達のライフスタイルを大きく変化させたインターネット。そのインターネットを利用する窓口となるデジタル機器を、子供たちはどれぐらいの割合で利用しているのだろうか。内閣府が2024年3月に確定報を発表した「令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の調査結果から学校種類別に確認する。

次以降に示すのは小中高校生それぞれの、インターネットへのアクセスが可能な端末によるインターネット利用率(質問票では「インターネットを利用している機器をすべてえらんでください(いくつでも)」とある)。所有権がなくてもインターネットを利用していれば回答には該当する。

なお次以降のグラフは、グラフ間の比較もできるように、基本的に縦軸の区分は統一している。さらに各値はそれぞれの学校種類の全体比であることに注意。例えば小学生のスマートフォンは42.9%とあるが、これは小学生全体のうち42.9%がスマートフォンでインターネットを利用していることを意味する。

まずは小学生。

↑ デジタル機器利用状況(小学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
↑ デジタル機器利用状況(小学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)

トップは家庭用ゲーム機の75.8%。ほぼ同じ値で学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続き、テレビ、そして自宅用パソコンやタブレット型端末。従来型携帯電話の利用率は低く、14.5%でしかないが、その多くは保護者が防犯用として持たせているものと考えられる。

スマートフォンは42.9%。小学生では家庭用ゲーム機、テレビ、自宅用パソコンやタブレット型端末よりも低いが、それでも4割強の値が出ている。

続いて中学生。

↑ デジタル機器利用状況(中学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
↑ デジタル機器利用状況(中学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)

小学生と比べると家庭用ゲーム機の値は下がり、テレビも下がる。一方でスマートフォンの値は大きく伸び、中学生時点ですでに8割近くとなっている。中学生の時点で、インターネットを使うためのデジタル機器でもっとも使われているのはスマートフォンなのが現状。パソコンやタブレット型端末では自宅用が46.8%、学校配布・指定のものが72.0%。かなり高い値ではある。

従来型携帯電話は3.6%でしかない。防犯用としての利用もほとんどないようだ。

最後に高校生。

↑ デジタル機器利用状況(高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
↑ デジタル機器利用状況(高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)

スマートフォンの値がさらに伸び、ほぼ全員となっている。他方家庭用ゲーム機は落ち込み、パソコンやタブレット型端末も落ちる。従来型携帯電話は2.1%でしかない。

おおよそこれらの流れから、インターネットに接続できる機種の利用状況は、小学生は家庭用ゲーム機がメイン、中学生はスマートフォンがメインで、学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続き、家庭用ゲーム機がそれに続く、高校生ではスマートフォンがほぼ全員に使われている実情を示しているようである。

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※令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査

2023年11月1日から12月7日にかけて2023年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法やウェブ調査法も併用)で行われたもの。回答側の事情次第で郵送回答法を併用している。有効回答数は青少年が3279人(うちウェブ経由は401人、郵送回収法は141人)、保護者は3322人(うちウェブ経由は415人、郵送回収法は149人)。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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