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小学生では「インターネット利用端末は」と聞かれれば家庭用ゲーム機がトップに(2022年更新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
小学生がインターネットを利用する機器といえば…(写真:イメージマート)

子供達のライフスタイルを大きく変化させたインターネット。そのインターネットを利用する窓口となるデジタル機器を、子供たちはどれぐらいの割合で利用しているのだろうか。内閣府が2022年3月に確定報を発表した「令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の調査結果から確認する。

次に示すのは調査対象母集団における、該当機器でインターネットを利用している人の割合。回答者が「使っている」と判断する程度の利用状況が示された形となる。また該当機器を利用していても、それがインターネットと接続されていない状態であれば、回答には値しない。対インターネット利用者比率ではなく、対全体比であることに注意。例えばスマートフォンの68.8%はインターネット利用者のうち68.8%ではなく、調査対象母集団の68.8%を意味する。

↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用)(2021年)
↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用)(2021年)

全体ではスマートフォン(一般のスマートフォン以外に子供向けスマートフォンなども含む)によるインターネット利用がもっとも多く、68.8%。次いで家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機と携帯ゲーム機の双方)が59.8%、テレビ(YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、Huluなど)が46.7%と続く。パソコンはタブレット型端末と合わせても自宅用のが45.3%、学校から配布されたり指定されたものが42.2%にとどまっている。

小中高校生すべてを合わせた平均であることから、いくぶん均されている感はあるものの、子供達の間でもすでに「インターネットの窓口はスマートフォン」状態となっている実態が分かる。デジタル端末の操作系でキーボード利用に難儀する一方、タッチパネルなどの使いこなしに慣れる事例が増えているのも、結局のところそれらの機器を使う主用途であるインターネットの利用の際に使うツールが、スマートフォンをメインとしているからに他ならない。

家庭用ゲーム機やテレビもまた、インターネットの窓口として広く認知されている実情が確認できる。もっとも家庭用ゲーム機の場合はゲームに付属する機能としての利用が、テレビは動画視聴のための利用が多分ではあるのだが。

これを小中高の学校種類別に区分した結果が次のグラフ。

↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、学校種類別)(2021年)
↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、学校種類別)(2021年)

小学生ではインターネットへの窓口は家庭用ゲーム機がもっとも多く、次いで学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末、自宅用パソコンやタブレット型端末が続く。ところがすでに中学生の時点でスマートフォンが最高値を示すようになり、家庭用ゲーム機、学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続く形に。

そして高校生。圧倒的回答率でスマートフォンがトップにつく。高校生のほぼ全員はスマートフォンでインターネットを利用している計算になる。自宅用パソコンやタブレット型端末は39.5%のみ。スマートフォンそのものの普及利用率にも多分に、そしてそれは保護者側の判断に左右されるところではあるが、子供達、特に中高校生にとってスマートフォンはインターネット利用のための必須アイテム的な存在となりつつある。

高校生に限ればインターネット利用のためのツールはスマートフォンがほぼ全員、自宅用パソコンやタブレット型端末が4割近く、家庭用ゲーム機やテレビが4割台。授業などではキーボードを用いる機会は得られるだろうが、高校生自身はその多くがキーボードを使う端末を「インターネットを使っている」との認識対象とはしていないのが実情と見てよかろう。

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※令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査

2021年11月3日から12月14日にかけて2021年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法やウェブ調査法も併用)で行われたもの。回答側の事情次第で郵送回答法を併用している。有効回答数は青少年が3395人(うちウェブ経由は161人、郵送回収法は154人)、保護者は3511人(うちウェブ経由は136人、郵送回収法は133人)。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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