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漸増する老年人口・2020年では28.6%…年齢階層別で日本の人口推移を振り返る

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
日本では老年人口が増加中(写真:アフロ)

複数の調査結果を基に国勢調査の補完的な役割として、日本の人口動向の推計値を算出している、総務省統計局の人口推計。この人口推計を基に、年齢階層別に日本における総人口の動向を確認する。

次に示すのはデータを取得可能な1920年以降、年次確定報の最新値となる2020年分までの日本の総人口の推移。

↑ 日本の総人口(人口推計、人)
↑ 日本の総人口(人口推計、人)

もっとも古い値となる1920年時点の総人口は5596万3000人。これが1926年には6000万人、1936年には7000万人を超える。戦中は多少の人口減が生じるも、戦後に入って1967年には1億人を超え、2008年には最大値となる1億2808万4000人を記録。以降は少しずつ減少し、直近の2020年では1億2614万6000人となっている。

この日本の総人口の推移を年齢階層別に見たのが次以降のグラフ。次に示すのは人口推計で用いられている年齢区分である主要3区分、具体的には「年少人口(14歳以下)」「生産年齢人口(15~64歳)」「老年人口(65歳以上)」に区分した上で、人口をそのまま積み上げしたものと、各年の総人口比を算出した結果。戦時中から戦後混乱期にかけてはデータが存在せず空欄となっている。

↑ 日本の総人口(年齢階層別、人)
↑ 日本の総人口(年齢階層別、人)

↑ 日本の総人口(総人口比、年齢階層別)
↑ 日本の総人口(総人口比、年齢階層別)

おおよそ戦前は構成比に変化は無い。戦後は混乱期の中で年少人口の比率が増加するもすぐに生産年齢人口比率が増加。高度経済成長期からバブル期にかけては年少人口比率・生産年齢人口はほぼ横ばいで老年人口比率も漸増。1980年代後半以降は老年人口比率の増加率が大きくなるとともに、まず年少人口比率、次いで生産年齢人口比率が圧迫される形で減少していく。

これらの構図がよく分かるように、総人口比を折れ線グラフの形としたのが次のグラフ。老年人口をさらに高齢層のみで区分した75歳以上に限った比率も算出し、反映させている。

↑ 日本の総人口(総人口比、75歳以上追加、年齢階層別)
↑ 日本の総人口(総人口比、75歳以上追加、年齢階層別)

戦前はほぼ横ばいだった年齢階層別の人口構成比も、戦後の経済成長や医療科学などの進歩発展とともに、少しずつ高齢者の比率が増え、まず年少人口比率が、そして生産年齢人口比率が落ち込んでいくようすがよく分かる形となっている。社会構造や経済の維持のためには、社会全体をけん引する生産年齢人口(の数、比率)がもっとも重要な要素となるだけに、昨今の状況に対する危機感が改めて認識される次第ではある。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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