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小学生男子が将来つきたい職業のトップはプロサッカー選手とネット配信者

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
小学生は将来はどのような職業につきたいと考えているのだろうか(写真:アフロ)

社会の仕組みを学び、将来の自分の姿をイメージするようになる小学生。その小学生は将来どのような職業につきたいと考えているのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生男子自身が将来つきたい職業の実情を確認する。

最初に示すのは小学生のうち男子に対し、将来つきたい職業を択一で尋ねたもの。上位陣を抽出している。

↑ 将来つきたい職業(小学生男子、上位陣)(2021年)
↑ 将来つきたい職業(小学生男子、上位陣)(2021年)

トップについたのは「プロサッカー選手」と「ネット配信者」が同率の5.3%。小学生男子の5.3%が将来はプロサッカー選手、同じく5.3%がYouTuberなどのネット配信者になりたいと思っている。次いで「警察官」が4.7%、「プロ野球選手」と「研究者」が3.7%。「eスポーツ・プロゲーマー」も1.8%おり、トップの「ネット配信者」と合わせ、インターネット系の新しい職業に憧れを抱く小学生男子が少なからずいることが見受けられる。

プロスポーツ選手や会社員、研究者などはよく聞く憧れの職業ではあるが、トップに「ネット配信者」が入るあたり、時代の流れを感じさせるものではある。それだけ小学生男子の目には、素晴らしい職業に見えているということだろうか。

次いでこれを各学年別に区分したのが次のグラフ。正確には各学年で4%以上の職業を抽出し、他の学年でも回答値が公開されていれば当てはめている。値は原則2%以上の公開なので、空欄部分は回答値が2%未満であることを意味する。

↑ 将来つきたい職業(小学生男子、各学年上位陣抜粋、学年別)(2021年)
↑ 将来つきたい職業(小学生男子、各学年上位陣抜粋、学年別)(2021年)

小学生男子全体ではトップの「プロサッカー選手」は小学4年生で突出した値が出ているが、どの学年でも一定した値は維持されている。「プロサッカー選手」は長年の人気職業で、今調査の過去の結果でも、一貫して人気が高いと調査結果報告書にも特記されている。

「ネット配信者」も同じようなパターン。ただし「ネット配信者」は小学4年生をピークとして、それ以降は高学年になると値が落ちるような傾向が生じている。それでも「ネット配信者」はすべての学年でトップ5に入っていることに違いはないが。この動きについて調査結果報告書では「新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて外に出る機会が減った小学生が多いこと」「通信機器の利用目的・時間/日の調査で最も割合が高いのが動画の閲覧(学習以外の目的)であったこと」などを理由に挙げている。要はネット配信者に触れる機会が増えた結果、憧れの対象になりやすくなったということだろう。

他方「警察官」は小学4年生以下でしか値が出ていない(小学5年生や小学6年生では回答者がゼロ人か、回答値が2%未満)。逆に「会社員」は小学5年生や小学6年生で高い値が出ている(両学年でトップ)。安全志向が強まるということなのか。

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※小学生の日常生活・学習に関する調査

直近分となる2021年分は2021年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらっている。有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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