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高齢者は平日でも1日5時間半もテレビを見る…テレビ番組を見ている人の視聴時間

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ テレビ視聴時間は年齢によって違いはあるのだろうか。(写真:Paylessimages/イメージマート)

テレビを見ている時間は高齢者ほど長いとの話がある。NHK放送文化研究所が2021年5月に発表した2020年国民生活時間調査(※)の報告書を基に確認する。

テレビ(視聴)行為者に限定した平均視聴時間を算出したのが次のグラフ。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(時間:分)(2020年)

テレビ視聴者に限定した平日のテレビ平均視聴時間は3時間50分。土曜になると4時間36分、日曜はさらに増えて4時間38分となる。年金生活者や専業主婦、自営業者などは自宅にいる機会が多く、テレビの接触時間も長くなるため、平日ですら4時間近い長さとなっても不思議ではない。

これを男女に区分した上で年齢階層別に見たのが次のグラフ。

↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(男性、年齢階層別、時間:分)(2020年)

↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(2020年)
↑ テレビの行為者平均視聴時間(女性、年齢階層別、時間:分)(2020年)

行為者率は若年層から中年層で低く、高齢層で高い値を示していたことから、全体的な平均視聴時間と比べると、年齢階層間の差がある程度縮まっている。しかしそれでもなお、おおよそは若年層ほど短く、高齢層ほど長い値を示しており、「テレビを見る人における視聴時間は、高齢層ほど長い」実態がうかがえる。特に男性では曜日を問わずに60代以降、女性は平日土日で60代以上・日曜は50代以上で高い値を示しており、この年齢階層におけるテレビへの傾注ぶりがうかがえる。

また、若年層は単に世間一般で言われているようにテレビそのものを見ない人が多いだけでなく、見ている人の視聴時間が短いことも把握できる。平日は仕事や学業で機会を得られず仕方がない面もあるが、土曜や日曜でもその傾向にあまり変化はない。男女別・曜日で短時間層の年齢階層の区分は異なるが、テレビ視聴者においても、一種の年齢階層間における壁ができているようでもある。

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※2020年国民生活時間調査

住民基本台帳から層化無作為二段抽出法によって選ばれた10歳以上の日本国民7200人を対象に、2020年10月13日から18日にかけて郵送法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4247人分。過去の調査もほぼ同様に行われているが、2015年以前は配布回収法によって実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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