新型コロナによる休校中に小学生は自宅で何をしていたのだろうか(2021年公開版)
新型コロナウイルスの流行による休校措置下において、その措置が取られた理由もあり、休校中とはいうものの子供達は原則的に自宅で過ごすことを余儀なくされることとなった。子供達はそのような状況下で、何をしていたのだろうか。学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生の実情について確認する。
最初に示すのは、休校期間中に自宅では何をして過ごすことが多かったのかについて、3つまでの複数回答で尋ねた結果。回答しなかった項目をまったくしていないわけではなく、あくまでも多かった行為について答えてもらっている。また、自宅での行為であることに注意が必要。
もっとも多かったのは「テレビを見る」で65.4%。小学生のほぼ2/3は、休校中に自宅でテレビを見ることが多かったと答えている。普段からそれなりにテレビは見ているはずだが、在宅時間が増えたため、気軽に時間をつぶすための手段として選択されたのだろう。また、普段は見る機会がなかった時間帯の番組を見られるのも、テレビを見ることを後押ししたに違いない。
次いで多いのは「ネットで動画視聴やゲーム」で58.0%。元々インターネットを利用できる環境がなければ動画視聴やオンライン系のゲームはできないが、今調査の別項目の限りでは、調査対象母集団が使えるインターネット機器は、パソコンは家族と共有・専用合わせても36.2%、タブレット型端末は41.1%、スマートフォンは33.7%、ゲーム機は46.5%となっている。「多かったか」であることから、いずれかの端末を何度となく、長時間用いていたのだろう。
次いで「勉強」が40.3%。休校とはいえ平日は自宅学習が求められている。勉強をすることが多かったという回答が多々あるのは当然の話。しかし「テレビを見る」「ネットで動画視聴やゲーム」よりも少ないことに、不満感を覚える保護者もいるかもしれない(単に子供側が印象として残った「多かった」を挙げただけで、時間の長さで見れば勉強時間が一番長かった可能性はある)。
さらに「読書(含む漫画)」「家族と雑談やゲーム」「絵や漫画を描く」などが続き、「自宅で運動」はその次で9.0%のみ。もっとも残りの91.0%はまったく運動をしなかったわけではなく、多くはなかっただけの話。運動とは逆で多いと保護者が心配しそうな「ネットで友達と対話」「SNS」はそれぞれ2.8%、1.5%にとどまっている。
選択肢の回答値上位陣を属性別に区分したのが次のグラフ。
男女別では男子の方が「ネットで動画視聴やゲーム」の値が高く、女子の方が「勉強」「読書(含む漫画)」「絵や漫画を描く」が高い結果が出ている。男女それぞれの行動性向が数字となって表れているようで興味深い。
学年別では「勉強」に大きな違いはないものの、低学年は「テレビを見る」が高い一方で、学年が上がるに連れて「ネットで動画視聴やゲーム」が増えていく。インターネットを使える環境を持っているか、用意してもらえるか否かの違いがあるのだろう。「家族と雑談やゲーム」の値が高学年ほど減っていくのは、高学年になるに連れてインターネットを使える人が増え、そちらに注力するからかもしれない。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
直近分となる2020年分は2020年8月26日から31日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するようにしたもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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