Yahoo!ニュース

朝食時間は早まりつつある(2021年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 朝食時間が早まりつつあるとの話だが。(写真:アフロ)

多くの人にとって食事は毎日3食欠かせないものだが、生活様式、家族構成や習慣により、その摂取時間は大いに違う。その中でも朝食時間について、早まる傾向があるという。その実情をNHK放送文化研究所が2021年5月に発表した2020年国民生活時間調査(※)の報告書から検証する。

2005年以降の平日と休日それぞれの朝食時間帯における食事の行為者率を確認したのが次のグラフ。

↑ 食事の平均行為者率(平日、朝食時間帯、調査年別)
↑ 食事の平均行為者率(平日、朝食時間帯、調査年別)

↑ 食事の平均行為者率(日曜、朝食時間帯、調査年別)
↑ 食事の平均行為者率(日曜、朝食時間帯、調査年別)

平日の動向では8時から8時半を境として、それ以降の時間帯では減少、それ以前では増加の動きを示していた。日曜でも7時から7時半を境としてそれより早い時間帯では減少、それ以降では増加の動き。寝ている最中に食事は不可能なことを合わせ考えると、人々の生活リズムは全般的に早起き・早朝食へとシフトしていたようだ。

他方、直近の2020年における動向を見ると、平日は6時ぐらいまでは増加、8時以降も増加の動きを示している。新型コロナウイルス流行で在宅勤務者が増え、平日ではあるが自宅で業務を行うことによって通勤の必要が無くなった人が多々生じたため、結果として朝食を取る時間も遅くなったのかもしれない。早い時間帯でも増えているのは、これまでの傾向通り「朝食時間が早くなっている」が継続されているまでの話だろう。

一方2020年の休日では法則性の類は見出しにくいが、どちらかといえば遅めの時間の平均行為者率が増えており、これまで以上に日曜の朝食時間が遅くにずれ込んでいる感はある。平日の朝食時間が遅くなった人が、休日はさらに遅くなる生活習慣を取るようになったのだろうか。

■関連記事:

【「毎朝しっかりと朝食を食べている」中学生は8割強…若年層の朝食欠食状況をグラフ化してみる(最新)】

【やはり気になる他人の様子、一人暮らしの食事事情】

※2020年国民生活時間調査

住民基本台帳から層化無作為二段抽出法によって選ばれた10歳以上の日本国民7200人を対象に、2020年10月13日から18日にかけて郵送法によるプリコード方式で行われたもので、有効回答数は4247人分。過去の調査もほぼ同様に行われているが、2015年以前は配布回収法によって実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事