外務省が2021年5月に発表したアメリカ合衆国における対日世論調査「米国における対日世論調査」(※)の結果によると、同国の一般人の70%・有識者の96%が「日本を信頼できる友邦国である」と認識していることが分かった。

なお2019年度までは提示選択肢は単純に「信頼できる」「信頼できない」「分からない」のみだったが、2020年度からは「信頼できる」「どちらかというと信頼できる」「どちらかというと信頼できない」「信頼できない」「分からない」と細分化されている。グラフ上の表記や分析の上では、「信頼できる」「信頼できない」の合算を「信頼できる」、「どちらかというと信頼できない」「信頼できない」の合算を「信頼できない」として勘案する(発表されている結果概要報告書でもこの方法が用いられている)。

↑ 日本はアメリカ合衆国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)
↑ 日本はアメリカ合衆国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)

↑ 日本は米国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)(2001年度以降)
↑ 日本は米国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)(2001年度以降)

有識者に対しては1993年度以降に設問が用意されているが、今世紀に入ってからはほぼ9割を維持している。2015年度分はやや下がって83%と9割を割り込んだが、2016年度はいくぶんの持ち直しを示した。一般人については多少の上下を繰り返しながら1990年度代以降は上昇傾向にあり、2012年度においては2011年度から続く形で、それまでの最高値となる84%を記録した。一方それ以降は減少傾向にあり、2015年度でようやく底打ちし、2016年度では大きく上昇し、有識者に近づく形となった。そして2017年度では、はじめて一般人の値が有識者の値を上回る結果が出ている。

直近年度となる2020年度分では、前年度比で一般人は15%ポイント下落、有識者は7%ポイント上昇。両者の値は大きく離れ、有識者の方が高い状態がより明確化する形となった。もっとも一般人の大幅下落に関して詳細を見ると(グラフ化は略)、2019年度ではゼロだった「分からない」が19%と大幅に増えており、これが大きな要因だと考えられる(「信頼できない」は2019年度では15%だったが2020年度では11%と逆に減っている)。

「信頼できる」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたのが次の結果。一般人と有識者とでは傾向が異なり、有識者の方が高い値=多方面の理由を挙げている。

↑ 「日本は信頼できる」回答者による理由(複数回答)(2020年度)
↑ 「日本は信頼できる」回答者による理由(複数回答)(2020年度)

一般人では一番の理由は「友好関係」、そして「経済的結びつき」が続く。一方で有識者では「友好関係」よりも「経済的結びつき」が高い値を示している。「世界経済(の)安定・発展貢献」も第3位という順位は変わらないものの、一般人と有識者の間では回答値には大きな差が生じている。

差異はあるが一般人は有識者と比べて大きく差を開ける形で低い値を示しており、一般人は「世界における日本の具体的な影響力は期待したほど高いものではない」との認識があるようにも解釈できる(公開資料の限りでは両者で質問の様式が異なるようには見えない)。

選択肢の中で一番低い回答値は、一般人は「国際社会における開発協力」、有識者は「価値共有」。それぞれの日本に期待している、注目している(そして失望している)観点の違いが表れているようで興味深い。

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【「日本は安保理の常任理事国入りをすべき」米有識者の78%が賛成(2020年公開版)】

※米国における対日世論調査

直近分は外務省がハリス社に委託し、アメリカ合衆国内において電話により2020年12月~2021年1月に実施されたもので、有効回答数は一般人1013人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。一般人にはインターネット経由で、有識者には電話によるインタビュー形式で実施されている。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

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