小売市場規模は3兆2242億円・菓子市場の実情をさぐる(2021年公開版)

↑ 心もお腹も満足させてくれる菓子達。その市場規模は。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

菓子は食生活にメリハリを与え、心を和ませ、憩いのひとときを与えてくれる。その菓子の市場の実情を、全国菓子卸商業組合連合会と全日本菓子協会が共同で設立したe-お菓子ねっと製販代表会議運営による「e-お菓子ねっと」で毎年更新の上で公開されている、菓子統計データと報告書から確認する。

まずは区分別の売上高。区分別ではチョコレートがトップで5470億円。次いでスナック菓子が4557億円。和生菓子がそれに続き、合計は3兆2242億円(小売ベース)。前年比2056億円減(マイナス5.99%)。

↑ 菓子小売金額・構成比率
↑ 菓子小売金額・構成比率

↑ 菓子小売金額(億円)
↑ 菓子小売金額(億円)

↑ 菓子小売金額(億円)(2020年)
↑ 菓子小売金額(億円)(2020年)

社会の高齢化を受けて米菓のシェア・売上高は伸びを示している。

洋系だが柔らかいとの観点では合致する、そして機能系商品で若年層にも受け入れられているチョコレートは急成長。飴菓子もこの数年でマイナス基調からプラス基調に転じている。説明によるとグミなどの柔らかいソフトキャンディや清涼菓子が好調とのことで、なるほど感を覚えさせる。一方でチューインガムの厳しさがひときわ目立つ。元々小さめだったシェアがさらに縮小している。

他方、2020年においては新型コロナウイルス流行により需要の大幅減を余儀なくされた区分と逆に需要が伸びた区分がはっきりと分かれているのが分かる。和生菓子や洋生菓子、飴菓子、せんべいの減少は売上金額だけでなく、構成比率の変化でも容易に把握できよう。

最後は売上高の前年比。グラフが読み難くならないよう、直近3年分に限定した。区分別のすう勢がよく分かるグラフに仕上がっている。

↑ 菓子小売金額(前年比)(2018~2020年)
↑ 菓子小売金額(前年比)(2018~2020年)

2020年においては前年比でチューインガムが軟調なのは相変わらずだが、和生菓子や洋生菓子、せんべいも新型コロナウイルス流行の影響で大きく売上を落としているのが確認できる。特にせんべいは1/4も減少してしまっている。

菓子市場はコンビニの日常生活への浸透や高齢化社会の到来による消費層の変化、機能性商品の需要増加、通販需要の拡大、さらに昨今では海外からの観光客の増加など、多様な変化が起きている。そして商品区分別のすう勢を見るに、全般的には和風、やわらか系、すぐに食べられる系統のお菓子が伸び(チョコレート、米菓)、食べるのに時間を要するタイプの菓子(油菓子、チューインガム、飴菓子のうち堅い系。グミは伸びている)が敬遠される動きがあるようにも見える。「スナック感覚」との言葉ではないが、お手軽感がお菓子全体のトレンドの一環として浸透しているのだろうか。

シニア層が積極的に消費を行い、市場に影響を及ぼすようになったこともあり、機能性を重視した、あるいは健康志向の商品への需要がこれまで以上に高まりを見せているのも特徴の一つ。さらにそれと連動する形ではあるが、少人数世帯化や「チョイ食べ」需要の拡大に伴い、少量パッケージ化や個別包装商品の需要も増加している。同じ商品で需要に合わせた一工夫を凝らすことで、大きな飛躍を見せた商品も少なくない。

他方2020年で生じた新型コロナウイルス流行による社会様式の大きな変化は、2021年の現時点でもほぼ継続しており、今後もしばらくは同様の環境が続くものと考えられる。さらに新型コロナウイルス流行という事態が鎮静化しても、在宅勤務など変化の一部はそのまま継続され常態化する可能性もある。お菓子業界も社会の変化に合わせたかじ取りが求められよう。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。