保護者は子供の教育費をどのようにして捻出しているのだろうか(2020年公開版)

↑ 子供の教育費は非常に大きな額となる。どのように捻出するのか。(写真:Panther Media/アフロイメージマート)

子供を高校や大学で学ばせるためには何かとお金がかかる。かさむ費用に対し、保護者はどのように対応しているのだろうか。その実情を日本政策金融公庫が2020年10月に発表した教育費に関する調査結果(※)の内容から確認する。

はじめに示すのは子供の教育費の捻出のために、どのようなことをしているのかについて尋ねた結果。捻出している人でもっとも多かった方法は「教育費以外の支出削減」だった。29.5%の人が実施している。

↑ 教育費の捻出方法(3つまでの複数回答)(2020年)
↑ 教育費の捻出方法(3つまでの複数回答)(2020年)

具体的な削減内容は次の項目の話になるが、色々と他への費用を切り詰め、教育費に当てていることになる。次いで多いのは「在学者本人のアルバイト」で21.5%。要は子供自身のアルバイトで学費なり通学費をまかなってもらっているとのこと。さらに「預貯金・保険の取り崩し」が20.4%と続く。これはもちろん保護者の預貯金や保険を意味する。

そして「奨学金」が18.6%。奨学金はすべての人が受けられるとは限らないが、制度として存在している以上、使わないのは損である。他方、「労働時間の増加」「共働き開始」のように保護者に労働面での負荷を増やす選択をするケースもある。

一方で「特に何もしていない」、つまり以前からの家計のやりくりで十分教育費をまかなうことができ、改めて何らかのアクションによる捻出の必要はないとの人も30.3%いる。

「教育費以外の支出削減」、つまり節約をして教育費をねん出している人に、具体的な方法を尋ねた結果が次のグラフ。節約話ではいつも矢面に立たされる「外食費」がトップで62.5%と高い値を示す形となった。子供の教育費の捻出のために節約をしている人のほぼ2/3は、外食を切り詰めていることになる。

↑ 節約している支出(教育費以外の支出を削減している人限定、3つまでの複数回答)(2020年)
↑ 節約している支出(教育費以外の支出を削減している人限定、3つまでの複数回答)(2020年)

「外食費」とさほど変わらない62.3%で「旅行・レジャー費」が第2位についており、他の選択肢を大きく引き離している。生活必需品ではないもの、娯楽の部類に大別できる類の費用がカットされる傾向が強いようだ。自分の楽しみを切り詰めて、子供の教育費に充てようという構図である。「衣類の購入費」も場合によっては生活必需品ではなく娯楽に該当するケースもあるだろう。「装飾品などの購入費」も同様。

他方生活必需品の類に含まれる「食費(外食費以外)」を節約するとの意見も34.6%見られる。食材のグレードを落とす、安売り買いを徹底させるなどが考えられるが、当然食生活の質は落ちることになる。子供自身が自宅通いをしている場合、肩身の狭い思いをすることになるかもしれない。

一つ目のグラフにある「教育費以外の支出削減」の値29.5%を、二つめのグラフの値にかけることで、高校生以上の子供を持つ世帯全体に占める、教育費に充当させるために節約している項目別の比率が算出できる。例えば「外食費」なら29.5%×62.5%=18.4%となり、高校生以上の子供を持つ世帯の2割近くが、子供の教育費のために外食費を節約している計算となる。色々と見えてくるものがあるかもしれない。

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※教育費に関する調査

直近年分となる2020年分は、2020年9月7日から14日にかけて64歳以下の男女で高校以上に在学中である子供を持つ保護者に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は4700人。各都道府県別で100人ずつ。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。