Yahoo!ニュース

Facebook69%…アメリカ合衆国でのソーシャルメディアの利用実情をさぐる(2019年版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ いつでもどこでもソーシャルメディア。その利用実情は。(写真:アフロ)

インターネットに関する技術や流行り廃りでは常に先行するアメリカ合衆国。同国におけるソーシャルメディアの利用実情を、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月に発表した調査報告書「Share of U.S. adults using social media, including Facebook, is mostly unchanged since 2018」(※)から確認する。

最初に示すのは直近分の調査結果となる2019年1月における、ソーシャルメディアの利用実情。普段から使っているか否かについて、複数回答で尋ねている。もっとも多くの人が利用しているのはYouTubeで73%。アメリカ合衆国の18歳以上のうち7割以上が普段からYouTubeを利用していることになる。

↑ ソーシャルメディアの利用実情(アメリカ合衆国、2019年1月、18歳以上、複数回答)
↑ ソーシャルメディアの利用実情(アメリカ合衆国、2019年1月、18歳以上、複数回答)

次いで多いのはFacebookの69%。この2つが半数超えの利用率で、それに続くのはInstagramの37%。似たようなビジュアル系重視のPinterestは28%、ビジネス系ではお馴染みのLinkedInは27%。さらにSnapchatは24%、Twitterが22%、WhatsAppが20%、Redditが11%。

これらはあくまでも回答者が「日常茶飯事的に利用している」との認識に基づいた上での回答なので、アカウントを取得しているがほとんど使っていない、かつて使っていたけど今は退会している人などは別。今回答をした人は、半ばアクティブ利用者と見てよい。

それではこれらの利用率はどのような変化を見せているのか。過去の調査結果で公開されている値を抽出し、折れ線グラフの形にしたのが次の図。YouTubeは今回分も合わせ2回しか調査対象となっていないので、中途半端な線になっている。

↑ ソーシャルメディアの利用実情(アメリカ合衆国、18歳以上、複数回答)
↑ ソーシャルメディアの利用実情(アメリカ合衆国、18歳以上、複数回答)

おおよそのソーシャルメディアでは利用率は増加中だった。他方Facebookは元々利用率が高い状態にあったためか、2016年あたりで頭打ちとなり、最近ではむしろ微減の傾向すら見受けられる。YouTubeは2回分の調査結果しかないために傾向を見出しにくいが、少なくとも前回調査分と比べて最新調査分の値は減少している。

Instagramは順調に利用率が伸びている。似たような機能を持つPinterestが2015年あたりからほぼ頭打ちなのとは対照的。またTwitterは2017年ぐらいまではそれなりに伸びていたが、直近分では減少の動きを示している。これが一時的なものか否かはまだ分からないが、注意深く見守りたいところではある。

■関連記事:

ツイッター上で皆の注目を集める12のつぶやきテクニック

日本におけるTwitterの利用状況を詳しくさぐる

※Share of U.S. adults using social media, including Facebook, is mostly unchanged since 2018

該当する調査は2019年1月8日から2月7日にかけて、アメリカ合衆国内に居住する18歳以上を対象に、RDD方式で無作為抽出された人に対し電話の通話によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は1502人。うち302人は固定電話経由、1200人は携帯電話経由(そのうち779人は固定電話非保有者)。各種属性に関して国勢調査の結果を基にウェイトバックが行われている。過去の調査も同様の様式で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事