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インターネットで米を購入する人はどこで買っているのか(2019年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ インターネットでの米の購入。自宅まで配送してくれるから気軽に注文。(写真:アフロ)

インターネットショッピングでの購入商品は宅配業者などによって自宅まで配送される。重い米を買う時にはありがたい話だが、それではどのサイトで買っているのだろうか。JC総研が2019年3月に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書から確認する。

最初に示すのは米の購入にインターネット販売などを利用する人における、その理由を複数回答で尋ねたもの。「など」とあるのは設問では「米を購入するために利用したことのあるネット販売・宅配サービス・通販」とあり、インターネットによる通販以外のルートでも回答対象となるため。ただしインターネット以外では「カタログ販売・頒布会など」「テレビ・ラジオショッピング」など限定的なルートでしかなく、後述する利用ルートの上位陣ではそれらは顔を見せていない。

↑ 米の購入にインターネット販売などを利用する理由(利用者限定、複数回答)(2018年度)
↑ 米の購入にインターネット販売などを利用する理由(利用者限定、複数回答)(2018年度)

最上位の理由は「重い米を持たずに済む」で82.4%。一人暮らしでも一度に購入する米の量は5キロから10キロ。夫婦世帯ともなれば一度に10キロや20キロはまとめて購入したいところだが、その重さになると歩きや自転車での帰宅は難儀させられる。自動車でも積み下ろしの際に腰を痛めてしまうかもしれない。その点で、インターネットで注文ボタンを押せば、自宅まで運んでくれるインターネットの通販は非常に便利な存在に違いない。

次いで「色々な価格帯の米が選べる」「色々な種類の米が選べる」が続く。いずれも店頭における展示種類をはるかに超えた多様な種類から好きな、気になる米を選択できるインターネットによる通販のメリットを理由に挙げている。

おおよその理由は米に限った話では無く、インターネットによる通販を利用した時のメリットに違いない。一方で商品の重量や種類の豊富さ、そして常に消費される特性を持つ食品では、よりメリットが際立つことも事実ではある。

それでは具体的にどのようなサービス、サイトを利用しているのだろうか。前述の通り設問そのものはインターネットによる通販以外も含めた店舗購入以外のサービス全般について尋ねているのだが、上位陣はインターネット通販サービスのみが名前を連ねる形となった。

なおグラフの値は全体比。例えば2018年度の楽天市場は6.4%とあるので、インターネット通販などを利用した人の6.4%ではなく、調査対象母集団全体のうち6.4%が、楽天市場で米を購入したことがあると回答している。

↑ 米を購入するために利用したことがあるインターネット販売など(複数回答、上位選択肢、全体比)
↑ 米を購入するために利用したことがあるインターネット販売など(複数回答、上位選択肢、全体比)

最上位は楽天市場で6.4%、次いでヤフーが2.9%、アマゾンが2.8%と続く。事実上この3サービスが米をインターネットの通販などで購入する際の主力ルートとなる。次いでイオン、イトーヨーカドー、西友といった大手スーパーが名前を連ねている。ただしその大手スーパー群の利用率は1%前後で、差異もほとんど無い。

4年分しかデータが収録されていないが経年変化を見ると、楽天市場は漸減、ヤフーはほぼ横ばい、アマゾンは漸増していたが2018年度で急落の動きを示している。回答実数が比較的少数なので(例えば2018年度の楽天市場は単純計算をすると128人)統計上のぶれが生じている可能性は否定できないが、楽天市場の圧倒的な優位性は継続中ではあるものの、いくぶん陰りが見えてきたと見ればよいのだろうか。

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※農畜産物の消費行動調査に関する調査

直近年度分は2018年10月12日から17日にかけて、全国の既婚女性・既婚男性・単身女性・単身男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2009人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下133人・30代261人・40代344人・50代324人・60代393人・70代以上554人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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