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米食での中食や外食の増減状況をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 外食でもお米を主食として食べる機会はあるはずだが。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・お米を主食として取る人の大部分は炊飯によるもの。中食(加工食品)は少しずつ増えている。

・お米が主食のうち外食の機会は減少傾向にある。昨今では減少に歯止めがかかり、既婚女性では増加に転じているようにも見える。

・お米が主食のうち中食では、調理済みのものは減る傾向。加工食品は単身女性では減っているが、単身男性と既婚女性では減少から増加へと転じる流れ。

食品の管理技術の進歩やスーパーやコンビニの取り扱い食品の充実で、中食や外食の機会は増えているとの指摘がある。主食のうち米食に関してその実情を、JC総研が2018年4月に発表した農畜産物の消費行動に関する調査(※)の結果報告書から確認する。

今調査対象母集団では、主食としてお米を食べる機会において、自宅で炊いて食べる炊飯の機会は減り、中食が漸増していた傾向が見受けられた。そして2014年度以降では炊飯が増加に転じ、その分中食や外食が減る動きを示している。

↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)
↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)

そこでもう少し長い時系列でデータを取得できる「既婚女性」「単身男性」「単身女性」に関し、中食(加工食品…パックごはんや冷凍ピラフ、お餅など)・中食(調理済…弁当、おにぎりなど)・外食の3様式に関し、1週間あたりの食数(要は頻度)の推移を見ていくことにする。

↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内訳、1週間あたり、単身女性)

まず外食。どの属性でもほぼ一様に減少傾向にあった。外食そのものの回数が減らされていた話は本当のようだ。もっとも単身男性は下げ止まりの動きを見せ、既婚女性は増加に転じる流れを示している。外食離れは底打ちをしたようにも見える。

一方中食だが、いくぶんのイレギュラーな動きがあるものの、調理済みのご飯も減る動きを示している。また同じ中食でも加工食品は属性にタイミングは異なるものの、減少から増加へと転じる流れにある。

中食利用者の多くは惣菜のみを調達し、ご飯などの主食は自前で用意する事例が多いとの話を聞くが、単身男性や主婦は冷凍ピラフやパックごはんもまた、惣菜などとともに調達する事例が増えているようだ(昨今のコンビニなどにおける冷凍の調理系ご飯は多様なメニューが用意されており、興味をそそられる)。お弁当のように何らかの具材がプラスされて値が張ってしまうものでは無く、あくまでも主食としてのご飯を求めているのだろう。

ざっとまとめると主食のお米の場合、外食は減少から底打ち、中食の調理済みは減少だが加工食品は減少から増加へと転じる気配。お米に関わる食生活の大きなかじ取りの変化が生じつつあるようではある。

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※農畜産物の消費行動に関する調査

直近年度分は2017年12月15日から19日にかけて、全国の主婦(既婚女性)・既婚男性・単身(独身)女性・単身(独身)男性に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2162人。男女比はほぼ1対1、年齢階層別構成比は20代以下174人・30代291人・40代359人・50代338人・60代409人・70代以上591人。調査実施機関はインテージ。過去の調査もほぼ同様の条件下で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更を加えたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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