野菜不足を感じている人は増加中。では対策として何してる?
野菜は食べなくても生きていけると自負する人もいるが、ほどよい量の野菜の摂取は健全な日常生活の維持には欠かせない。どれほどの人が食生活で野菜不足を感じ、いかなる対策を講じているのだろうか。その実情をJC総研が2016年12月に発表した、野菜や果物の消費行動に関する調査(※)の結果を元に確認していく。
多くの人は日々の食生活の中で野菜摂取は欠かせないものと認識し、またそれを実践すべく食事をしている。しかしさまざまな理由で自らの野菜不足を認識している人も少なくない。今調査の経年結果によるとわずかずつではあるが野菜不足を自認する人は増える傾向にある。
それでは野菜不足を自覚している人たちは、どのような解消法を用いているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が対処法として実行しているのは、家庭内の食事において野菜の摂取量を増やすもので、4割近くの人が同意を示している。
次いで多いのは「市販の野菜ジュースで野菜不足解消を目指す」とするもの。1割強の人が回答している。市販の野菜ジュースの摂取と野菜不足解消との関係には賛否両論があるものの、実態としてこれだけの人が実行している。また「カット野菜を多用する」人も1割強確認できる。
一時期ブームになったサプリメントは8.5%、青汁は7.8%。外食や中食の利用機会の増加は各調査で知られる通りだが、それと共に中食・外食時において意図的に野菜の選択を増やすよう心掛けるとの回答も1割近く。
これを属性別に見たのが次のグラフ。各属性の思惑が非常に良く出る結果となっている。
家庭の食事で増やす人は男性よりも女性に多い。また、中食や外食で野菜を積極的に増やす人は単身女性が突出している。単身男性はカット野菜やサプリメントなど、調理による野菜摂取量の増加が難しいことを受けて、多様な方法で野菜を摂ろうとしている。冷凍などの野菜の加工品の多用も単身男性が多い。市販の野菜ジュースが単身女性に人気があるのは興味深い。
他方、野菜不足を感じているものの、特に対処しない人も少なからず存在する。
上記問いの選択肢から抜粋したもので、「複数回答」とはあるが2項目が同時に当てはまる人は存在しないので事実上別々のものとして見て良いが、必要性を感じる・感じないは別として、野菜不足を感じているものの、より一層の野菜摂取の行動をしていない人も2割強から4割強は居ることになる。特に既婚男性は4割強が特に何もしない、中でも3割は必要性を感じているにも関わらずしていないと回答している。
野菜不足状態を自覚する男性諸氏への健康状態が気がかりでならない。単身者はともかく、既婚者に関しては、配偶者には何らかの配慮を願いたいものだ。
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※野菜や果物の消費行動に関する調査
直近年分は2016年7月22日から27日にかけて、全国の既婚女性・既婚男性・単身女性・単身男性に対し、インターネット経由で実施。有効回答数は2217人。既婚女性902人・既婚男性888人・単身女性219人・単身男性208人で構成。世代構成比は20代以下から70代以上まで10歳区切りで180人・335人・351人・355人・436人・500人。男女比はほぼ1対1。