大人の朝食欠食状態、男女ともに1割超え

↑ 朝食は一日の心身の準備を整えるもの、とされているが……

若年層「何も食べない」が多い、男女ともに1割超え

世間一般的には朝食も含め一日三食定期的な食事を摂ることが望ましいとされている。他方、多様な理由で朝食を簡素にすませてしまう、食べない人も少なくない。その実情を厚生労働省が2016年11月に発表した「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」(調査時期は2015年11月。今回調査分では調査実施世帯数は3507世帯で、調査方法は調査票方式)から探る。

今件は調査実施当日において(≒日常的に)朝食を欠食したか否か、欠食した場合はその具体的な内容について尋ねた結果をグラフ化したもの。今件「欠食」とは単に「一切の飲食をしなかった」だけでなく「タブレットなどによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみ」「果物や菓子、乳製品などの食品・飲料のみを食べた場合」も含まれる。時間の都合や健康法などの理由から、これらを朝食に常食している人の中には「自分も欠食扱いになるとは」と驚く人もいるかもしれないが、調査の仕様であり、ご容赦願いたい。

↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・年齢階層別)(2015年)
↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・年齢階層別)(2015年)

男性は出勤で朝の時間帯において忙しくなる場合が多いことから、特に20~40代で女性を大きく上回る値を示している。総数でも男性の方が4%ポイントほど欠食率が高い。

欠食の内訳をみると20代は従来よく語られている「欠食」を意味する「何も食べず」の比率が高い。そして男性は40代までその傾向が続く。女性は全体では男性と比べて「何も食べず」の割合が小さく、20代では男性すら上回るものの、30代以降になると大きく減る。女性は多分に健康志向(とりわけダイエット的な目的)で、乳製品や果物のみを食する朝食を摂っているものと考えられる。

一方で年齢階層別動向をよく見ると、男性は30代、女性は20代がピークでそれ以降は漸減の傾向を示している。ただしピーク時の値は男性の方が高く、減少度合いが大きく男女で異なる形となっている。男女、そして年齢階層における就業状況の違い、朝の出勤時における多忙感が、朝食欠食の状況を生み出す主要因であることが想像できる(女性は中堅層でパートによる就業割合が増加するはずだが、男性の就業と比べれば朝食時間を圧迫されるような出勤スタイルは少ないものと考えられる)。

また健康法や体調によるところもあるが、男性では20代から40代にかけて、女性でも20代で1割前後が「まったく食事をしない」朝食欠食をしている。十分以上の留意が必要な値ではある。

朝食欠食の中期的な流れ

年齢階層別の朝食欠食事情について中期的な動向をグラフ化したのが次の図。

↑ 朝食欠食率(2004~2015年、男性、年齢階層別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2004~2015年、男性、年齢階層別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2004~2015年、女性、年齢階層別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2004~2015年、女性、年齢階層別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)

性別・年齢階層代別の動向は直近となる2015年分に限らず、中期的に大きな変化は無い。男性は20~30代が高く(2015年は20代が異様に低くなり30代以下となってしまったが)、それ以降は歳を取るにつれて少しずつ減る。女性は20代が飛びぬけて高く、30代で大きく減り、それ以降は漸減していく。いずれも就業状況との密接な関連性を想起させる値である。

他方男性共に40代から50代にかけては、中期的に朝食欠食率が増加しているようにも見える。特に40代ではこの10年強で約10%ポイントの増加が見受けられる。多忙感が引き起こすものとは思われるが、留意が必要な動きには違いない。

成人の朝食欠食は、ダイエットにせよ多忙にせよ、自己責任の部分が大きい。欠食の内情や経年変化を見る限りでは、男性は仕事の忙しさ、女性はそれに加えてダイエットなどの思惑により朝食を抜いていることが想像できる。男性40代から50代の漸増傾向は、仕事の多忙感に加え、中堅層の肥満傾向への警鐘への反応も一因かもしれない。

出来れば三食欠かさず食するのがベスト。個々の身体的などの事情でそれがかなわぬ場合をのぞき、朝の出勤前の時間が十分に取れない状況は理解できるものの、工夫を凝らして朝食を、せめて乳製品や果物などで補完的な飲食を摂るぐらいは果たして欲しいもの。今件データの限りでは、それらの摂取では「欠食」判定されてしまうが、何も摂らないよりははるかに良いに違いない。

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