米国の専業主婦率は1/4足らず、専業主夫は1%程度
男女の価値観の変化や労働市場の変容、家族のお財布事情などを受けて、共働き世帯や専業主婦など、夫婦の構成員の就業スタイルに注目が集まっている。そこで家族様式では先を行くことの多い米国の実情を、同国の国勢調査局で公開されている「Families and Living Arrangements」の値から確認する。
次に示すのはアメリカの15歳未満の子供を持つ夫婦における、専業主婦及び専業主婦率。専業主婦・主夫の定義は、「就業状況を尋ねた際に、非労働者人口の部類に属し、さらに世帯や家族の家事に従事したと答えた」場合が該当する。なお家事を行う住宅は、家族の所有物である場合だけでなく、親族の家である事例なども含む。つまり親などの看護をするために、住み込みで専業主婦・主夫をする場合もありうる。
未成年の子供を持つ夫婦における、専業主婦率は直近2015年で24.1%、専業主夫率は0.9%。双方ともいくぶんの起伏があるものの、増加傾向にあり、もっとも古い公開値となる1994年当時と比較すると、専業主婦は4%ポイント強、専業主夫は0.6%ポイントの増加を示している。なお、100%から双方を足したものを引いても共働き世帯率に一致しないのは、就労を求めていても就職を果たせない事例や、非労働人口に該当しても家事などをしない・できない事例も多々存在するからに他ならない。
米国の映画などでは専業主夫の姿を描いた作品が時折見受けられるが、現状ではそのような夫婦はごく少数に限られている。具体的件数としては2015年の場合、15歳未満の子供がいる夫婦2158万6000組に対し、専業主婦のいる夫婦は520万1000組だが、専業主夫は19万9000組でしかない。日本でも家事の分担や育児休業の男性による取得など、夫の家事担当、専業主夫に注目が集まっているが、米国においても日本同様、該当事例はごく少数であることが確認できよう。
やや余談だが、直近2015年における15歳以下の子供がいる世帯の平均子供人数は1.83人である一方、専業主婦世帯では2.06人、専業主夫世帯では1.85人となり、わずかだが子供の人数は多い。子供の年齢までは把握できないが、子供の世話のために夫婦のうちいずれかが専業化しなければならない事例も多々ありそうだ。
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