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人生色々、イメージカラーも色々…色が見せる新社会人の生活心理

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ これからの社会人生活、新社会人には何色に見えるのだろうか

伝えたい、表現したい内容を文言では無く色で表す手法は、商品パッケージをはじめとする広告や芸術方面でよく使われる。活力のある場面では火を想起させる赤系統、穏やかさや活き活きとした状況には自然を思わせる緑などが良い例である。それでは社会人生活に足を踏み入れた新社会人の人達は、自分達のこれからの生活をどのようにイメージし、色に準えているのだろうか。ソニー生命保険が2015年4月に公開した、新社会人に対する意識調査結果「社会人1年目と2年目の意識調査2015」から探っていくことにする。

2015年3月末時点で4月から社会人生活を迎える人500人に、今後の生活をどのようなイメージとしてとらえているかについて自由回答で色を答えてもらい、それをまとめたのが次のグラフ。もっとも多くの人が答えた色は「白」。新たな環境に足を踏み入れ、真っ新(まっさら)な自分がこれから社会に染まっていくことを想っているようだ。

↑ これからの社会人生活は何色のイメージか(自由回答、件数)(社会人1年生)(2015年)
↑ これからの社会人生活は何色のイメージか(自由回答、件数)(社会人1年生)(2015年)

第2位の「青/ブルー」は2通りの解釈・回答側の意図がある。一つはさわやかさ、新鮮味のようなポジティブな意味合い、そしてもう一つは「ブルーな気分」的な落ち込んだ状況(社会人生活の厳しさに音を上げているのだろう)。その後者の心境に近い色合いとして、「黒」や「灰色/グレー」が入っており、多分にこれからの社会人生活への不安が色にもにじみ出ていることがうかがえる。

活力を匂わせる赤系統の色は案外上位には無い。最上位の「赤」は25件、「黄」も含めるとすればその直上の26件。新社会人の冷静な心境が投影されているようでもある。

今件について社会人としての生活を1年間果たし、2年目に突入した社会人2年生に対して同じ問いを投げかけると、大きな変化が確認できる。

↑ これからの社会人生活は何色のイメージか(自由回答、件数)(社会人2年生)(2015年)
↑ これからの社会人生活は何色のイメージか(自由回答、件数)(社会人2年生)(2015年)

最上位は「灰色/グレー」。黒にまで染まってはいないが、現状も見通しも安穏とした状況では無く、少なくとも明るくは見えない。今にも雨が降ってきそうな、怪しい雲行きな状態に自分が置かれている、精神的にも不安定な感の強い状態が強く出ている。第4位の「黒」と合わせ、先行きが明るいようには思えない。

第2位には「白」、つまり「まだまだ自分はこれから何色にも染まれる」と解釈できるポジティブな色が登場するが、1年めの時には113件でトップについていたことを考えると、後退している様子が見受けられる。

1年目と2年目の色合いの変化を見てみると、大よそ明るい、ポジティブなイメージを持つ色の回答数が減少し、不安、失望的なネガティブな連想をさせる色が回答数を上乗せしている。特に「灰色/グレー」が2倍近くに増加しているのが印象的ではある。

他方、活力を想起させる「赤」、安寧をイメージする「緑/グリーン」も値を底上げしている。社会人生活を1年間経験した人達の中に、先行きの明るさ、面白さを実感できた人が増えてきた面もあると見るべきなのだろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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