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インターネット上でニュースはどれほど閲覧されているのだろう

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ メディアの特性を活かし速報や検索の上では新聞に勝るネットのニュースだが……

紙媒体としての新聞の需要が減退する大きな原因の一つが、代替媒体たるインターネットの普及で、多くのニュースが配信されること。それではインターネットではニュースはどれほど閲覧されているのだろうか。財団法人新聞通信調査会調査による「メディアに関する全国世論調査」から、その実情を確認していく。

調査対象母集団全体(18歳以上、専門調査員による訪問留置法、インターネット利用者に限らず)に、インターネット上のニュース(特に定義は無いので、回答者が「ニュース」と判断できる情報はすべて。また文章に限らず、図面や動画も含む)を閲覧するか否か、閲覧するのならその頻度かを聞いた結果が次のグラフ。31.4%が毎日閲覧していると回答した。他方「見ない」との回答は34.5%。

↑ インターネットニュースの閲覧状況
↑ インターネットニュースの閲覧状況

新聞社やテレビ局の公式サイトだけでなく、ポータルサイトや主要ソーシャルメディアでも、通信社経由のニュースを転載の形で配信している。さらに新聞社などが公式のアカウントを取得、ソーシャルメディア上で速報などを流している。目に留める機会が増えれば、当然気になって読んでしまう人も増える。「見ない」はあえて読まない人に加え、インターネットそのものを利用していない人も多分に含むと考えて良いが、それを考慮しても閲覧率はそれなりに高い。

これを属性別に仕切り分けし、毎日見る人、そして頻度はともあれ見る人の状況を確認したのが次のグラフ。インターネットそのものの利用性向も、多分に影響することに注意が必要。インターネットを利用していなければ、インターネット経由のニュースを閲覧できるはずはないからだ。

↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計)(属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計)(属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人)(属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人)(属性別)

頻度は考慮せず目を通す人は2/3近く。男女別では男性が10%ポイントほど高く、世代別では40代までがほぼ9割、50代以降は急速に値を落としていく。大よそインターネットそのものの利用性向に比している形となる。

他方毎日見る人となると3割強に留まる。世代別では10代もあまり多くは無く4割強、20代から30代までが5割強でボリュームゾーン、40代以降は漸減していく。インターネットの利用性向に加え、ニュースそのものの必要性、さらにはインターネットでニュースを取得する事への慣れなどが大きく影響しているようだ。

そして前年度2013年度からの変移だが、大体の属性で増加傾向が見受けられる。特にシニア層の伸びが著しい。一方で若年層、特に10代・20代が停滞気味、あるいは逆に減退している動きがやや気になる。

今後はスマートフォンの普及と関連サービスの充実に伴い、中堅層全般で高い頻度の閲読者が増加していくことが予想される。またシニア層にも少しずつ浸透していくことだろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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