Facebookの日本での浸透状況と使わない理由、その変移
2012年で大きく伸びる登録率
世界最大手となるソーシャルメディア、Facebook。実名制や当初は英語ベースのサービスだったこと、類似サービスの国内版が広く普及していたことなどから、日本での普及は不安視されていた面があった。しかしいつの間にか幅広い層に受け入れられ、今では多くの人が活用する状況となっている。総務省が2014年4月に発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、2013年時点でのFacebookの利用率は26.1%、ほぼ1/4に達している。
このFacebookの登録状況について、最新の調査結果となる2014年6月時点での値が、先日ライフメディアのリサーチバンクから「Facebook(フェイスブック)に関する調査」として発表された。同社では毎年定点観測的に同様の調査を実施しており、その経年変化をたどることができる。そこでFacebookの登録者について直近の2014年6月分と、過去からの推移を確認したのが次のグラフ。
登録率の変遷を見ると、2011年時点では低めだった値も、2012年に入ると大きな伸びを示している。相次ぐ一般報道で認知度が高まり、登録を後押しした形。また、2011年3月に発生した東日本大地震・震災で、実名登録のFacebookが安否確認に大きく貢献した、役立ったことが、口コミで伝わり、登録率を底上げした一因ともいえる。
その後も少しずつ登録率は上昇している。男性では中堅層、女性では高齢層の伸びが著しい。一方で男性では若年層とシニア層、女性では中堅層にて、直近の2014年で登録者率がやや減っている。この減り方はまた単年での動きなため、単なるイレギュラーな可能性もあるが、特に男性シニア層の減り方の大きさは無視できない。
登録しない人、その理由も変化
一方、Facebookに登録しない人における、その理由も変化をとげつつある。
「面白さ・楽しさが分からない」「サービスの内容が良くわからない」が少しずつ減り、「自分に不要なサービス」「実名で登録することが嫌」が増えている。前者はFacebookの中身が良くわからないための理由で、後者はある程度以上理解した上での理由。そして前者にも一部はいるだろうが、後者にはそれ以上の比率で、一時期登録していたものの脱会してしまった人も含まれている。これらの動きを見ても、登録している・していないは別として、Facebookという存在そのものの認知度が確実に上昇していることがうかがえる。その上で、いる・いらないの判断が下されているようだ。
ソーシャルメディアの利用の上では便宜性を高めるスマートフォンの普及率は、年々上昇している。そして対応アプリケーションの操作性・機能性も向上している。周辺環境条件は年々良くなりつつある。来年以降も一部属性で登録率が減少する動きを示すのであれば、利用環境以外の原因で、これらの属性のFacebook離れが起きている可能性がある。一様に減少するのではなく、特定属性のみの動きであることもあわせ、注目したい。
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