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チョコの予算、そしてプラスαは? 気になる本命チョコ事情

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 大切な想い、ギフトで体現化するとしたら……?

本命チョコ、相場は約1500円

バレンタインデーでは多種多様な役付けのチョコレートが飛び交うことになる。義理チョコ、友チョコ、さらには自分チョコなるものまで昨今では語られているが、メインとなるのはやはり本命チョコ。そこで今年のバレンタインデー向けに本命チョコを用意する人達に、ひとつ当たりの購入予算を聞いた結果が次のグラフ(以下、ライフメディアのリサーチバンクが2014年2月に発表した、女性陣を調査対象母集団とするバレンタインデーのチョコレートに関する調査結果から生成)。

↑ 本命チョコの「ひとつ当たりの」購入予算は(本命チョコを用意する人限定)
↑ 本命チョコの「ひとつ当たりの」購入予算は(本命チョコを用意する人限定)
↑ 本命チョコの「ひとつ当たりの」購入予算は(本命チョコを用意する人限定)(概算平均値、円)
↑ 本命チョコの「ひとつ当たりの」購入予算は(本命チョコを用意する人限定)(概算平均値、円)

20代から40代までは1000円未満の回答率ほぼ横並びで、50代になると多少へこむ。そして高額購入者も40代がやや少なく、50代が多い。これが影響して平均額も40代が最少で、50代が最大となる。40代がへこむ理由は不明だが、ともあれ本命チョコの相場は「1000円未満が4割程度」「平均額は1500円位」ということになる。また、大体2割から3割ぐらいは2000円以上の、5%前後(50代では1割強)が3000円以上の高級チョコを、本命チョコとして用いることになる。

本命チョコと共に渡されるものは

それでは本命チョコを渡す人達は、何かプラスαのプレゼントを用意するだろうか。相手が本命の人ならば、チョコだけでは物足りない、何か追加でもっと明確に気持ちを表したい、あるいはアクセントを加えたいと考える人も少なくあるまい。さらにはチョコそのものがむしろついで、副次的なもので、プラスαのギフトこそがメインという人もいるだろう。

↑ 本命チョコ以外に何か加えてプレゼントを用意するか(本命チョコを用意する人限定)(複数回答)
↑ 本命チョコ以外に何か加えてプレゼントを用意するか(本命チョコを用意する人限定)(複数回答)

回答率が一番高い具体的項目は「手料理」。設問には「以外に」とあるので、チョコレート自身が手作りの場合、この「手料理」には該当しない。告白の際にチョコに加えて肉じゃがなどをタッパーに詰めて渡す状況は考えにくいので、どちらかの家でチョコを渡して手料理を振る舞うか、世帯持ちの人がチョコレートを手渡した上でバレンタインデーを祝う手料理を用意するあたりだろう。

「手紙」は10.5%。単にチョコを渡してその場で想いのたけを言葉にするのではなく、手紙にしたため、手渡すというパターン。多いようで案外少ない。

第3位以降の「ファッション雑貨」「お酒類」「外食」などは、恋人、あるいは単なる異性に対して告白も兼ねての本命チョコを渡す状況では無く、すでに恋仲・夫婦関係にある上での本命チョコと共に手渡される、あるいは用意されるプラスαと考えられる。バレンタインデーにかこつけて、日頃の感謝の意を表すギフトをするというところ。実のところバレンタインデーに関する心境としては、「配偶者や彼に愛や感謝を伝える日」との意向を持つ人が多く、すでに恋仲にある相手に向けた、愛を改めて確認する日との意味合いが強い(「バレンタインって何だろう? その意義を考え直す」)。

ちなみに世代別に再集計したのが次のグラフ。

↑ 本命チョコ以外に何か加えてプレゼントを用意するか(本命チョコを用意する人限定)(複数回答)(世代別)
↑ 本命チョコ以外に何か加えてプレゼントを用意するか(本命チョコを用意する人限定)(複数回答)(世代別)

手料理はどの世代もほぼ同じ値。手紙は20代が2割だが、30代以降は1割を切る。告白、あるいはあえて手紙で想いを伝える必要は、30代以降、多分にすでに夫婦間の仲となっているお互いには必要ないのだろう。一方でファッション雑貨やお酒類は歳を経るほど回答率が高くなり、50代では16.3%にまで達する。この世代になるとチョコは添え物的な形・きっかけとしてのイベントアイテムで、むしろこちらのギフトが本命と考えた方がよさそうだ。

バレンタインデーをお菓子業界主導による煽動型のイベントとして揶揄する声もある。「~チョコ」の類が増殖する昨今の動きを見るに、完全否定は出来ない。しかし普段は想いを胸に抱くものの、それを相手に伝える機会が無い、踏ん切りがつかない人には、そのきっかけを与えてくれるものとして、重宝したいイベントに違いない。

元々日本人は性質的に自分の想いを伝えるのが上手では無いとする話もある。バレンタインデーは、その気質の中で、思い切るための後押しをしてくれる役割を果たしていると考えれば、悪い気はしないものだ。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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