スマホ使い、2歳半で2割近く
デジタル機器の普及に伴い、保護者自らが積極的に使いこなしている機器、例えばスマートフォンを、乳幼児に貸し与える、あるいは共に使う事例が増えている。専用アプリも多分に登場し、多種多様な使い方ができることもあり、便利なおもちゃという認識なのだろう。また、子供は親の真似をしたがることから、親が多用しているところを見て、子供側も使いたくなるのは理解はできる。
次のグラフはNHK放送文化研究所が2013年9月に発表した、同年3月に首都圏居住の0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象とし、調査票配布回収法で実施された結果(回答自身は親が行っている)を基にしたもの。それによると2歳半の時点ですでに2割近い子供が、スマートフォンを使用している。
携帯ゲーム機は1歳後半から使い始める事例が現れ、それ以降は順次使用度合いが上昇していく。3歳前半で急上昇するのは、幼稚園に通うようになり、園を通じた友達同士の交流関係が形成され、対人プレーやソフトの貸し借りの機会も増えてくるからだろう。6歳になると5人に2人までが利用者となる。
一方スマートフォンでは1歳未満の時点ですでに2%と少数だが、利用事例がある。1歳後半になると急上昇し、2歳後半でピークの19%に達する。以降やや値を落とすものの、1割半ば台の値は維持されている。
スマートフォンが携帯ゲーム機を含めた他のデジタル機器よりも早期に使用されているが、これは「保護者が既に保有しているので、新たに買いそろえる必要が無い」「タッチパネルの操作方法を早く覚えさせたい」「お絵かきソフトや映像系アプリなど、子供向けのアプリも多数揃っている」など多数の理由によるもの。無論子供に貸しっぱなしだけでなく、親子で一緒に教えさとしながら使う事例が多数に及ぶものと考えられる。また、今項目では「どのように」使うかまでは指定されていないため、親がテレビや動画、音楽を見聞きさせている可能性もある(多目的利用という点でもスマートフォンは有利ではある)。
2歳前後からスマートフォンに触れる機会を持ち、操作に慣れ、タッチパネル端末の利用を当たり前のように行う子供達。心身共に成長し、世間一般のルールをしっかりと体得した上でデジタル機器に遭遇した今の大人と異なり、彼ら・彼女らはゼロから「デジタルが当たり前」の中で暮らした、デジタル世界のルールと世間一般のルールを併行して学び取った子供達、いわゆるデジタル・ネイティブに他ならない。
この子供達は成長に連れ、どのような世界観を持った大人となり、社会を構成していくのか。人類史上これまで無かった状況ということもあり、予想がつきにくく、それだけに非常に興味深い話ではある。
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