救急車に消防車も出動し、ウッズ棄権。スピース失格、JT予選落ち。大物たちが去ったリビエラ #ゴルフ
PGAツアーの今季3つ目のシグネチャー・イベント、ジェネシス招待(2月15日~18日)は、タイガー・ウッズが途中棄権、ジョーダン・スピースが失格、ジャスティン・トーマスが予選落ちとなり、戦いの舞台であるリビエラは淋しくなりつつある。
ジェネシス招待はタイガー・ウッズ財団がサポートする「ウッズの大会」であり、トーナメント・ホストのウッズが昨年のマスターズで途中棄権して以来、初めて公式戦に復帰するということで注目を集めていた。
開幕前には、テーラーメイドがウッズとともに立ち上げたアパレルの新ブランド「Sun Day Red」の発表イベントも開かれ、ナイキとの27年間の二人三脚が終了したウッズが、テーラーメイドとともに歩み「ネクスト・チャプター(次なる章)」がキックオフ。大きな話題になっていた。
2021年2月の交通事故で重傷を負った右足は「もう痛みはない」「問題はない」「あとは肉体の他の部分が(人工的に留め金が入った)右足に呼応して慣れるだけ」と会見で語ったウッズは、「戦うことが大好きだ」「生涯、戦い続けたい」と意気込みを見せていた。
しかし、初日は1オーバー、72で49位タイと出遅れ気味となり、2日目は出だしの6ホールで1バーディー、2ボギーとスコアを1つ落とした後、7番ホールでティショットをフェアウエイに打った後、ルール委員にWD(途中棄権)する意思を告げた。
ウッズはカートに乗せられてクラブハウスへ。米メディアによると、大会側は最悪のケースを考慮してパラメディックスを呼び、クラブハウスの外側には救急車や消防車が待機する物々しさとなった。
ウッズのビジネス・パートナーであるロブ・マクナマラ氏いわく、「タイガーは昨夜から風邪に似た症状になり、今朝は悪化して、熱も少しあった。だが、ウォーミングアップしていたら症状は軽減されたため、ティオフしたが、その後は徐々に悪化し、めまいを訴えていた」。
米メディアの中には、ウッズが初日の最終ホールで大きなシャンクを打った際に背中に痛みを訴えていたこととの関連性を疑う向きもある。
だが、現場のドクターは「風邪と思われる。軽い脱水症状も見られる」と診断。数十分後、ウッズは大会側のコーテシーカーでコースから去り、PGAツアーは「病気による棄権」と発表した。
ウッズが試合で途中棄権したのは、今回がキャリアにおいて13回目。2021年の交通事故以降は、6試合に出場し、3回目の途中棄権となった。
最終日までプレーできない状況となったため、新ブランド「Sun Day Red」のサンデー・レッドシャツ姿を見ることもできなくなり、SNSにはファンからの落胆の声が、多数寄せられている。
同じ2日目。スピースはスコアカードの誤記(過少申告)が判明し、失格となり、ウッズと同組で回っていたトーマスは予選落ちとなった。トーマスのみならず、マット・クーチャー、マシュー・フィッツパトリック、ウインダム・クラークらも予選落ち。
注目選手、人気選手が次々に消え去ったリビエラの週末は少々淋しくなりつつある。だが、日本のエース、松山英樹は2日目に3つスコアを伸ばし、通算5アンダーで9位タイへ浮上。首位とは8打差だが、土日の奮闘に期待したい。