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ゴルフ界を騒然とさせた33年ぶりのアマ優勝者ダンラップがプロ転向、PGAツアーメンバーへ #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ゴルフ界で33年ぶりの快挙を成し遂げた20歳の大学生アマチュア、ニック・ダンラップが、プロ転向する決意を固め、PGAツアーのメンバーとなったことが1月25日(米国時間)にPGAツアーから正式発表された。

ダンラップはアラバマ大学のゴルフ部に籍を置く2年生。1月18日から21日にカリフォルニア州で開催されたPGAツアーの大会、ザ・アメリカンエクスプレスに推薦出場し、並み居るプロたちを押しのけて大会を制覇した。

アマチュアによる優勝は、1991年にノーザン・テレコムオープンで勝利したフィル・ミケルソン以来、33年ぶりの歴史的な出来事で、米ゴルフ界のみならず世界中のゴルフ界を沸かせ、ダンラップの今後に注目が集まっていた。

2021年の全米ジュニアを制したダンラップは2023年の全米アマチュアでも勝利を挙げ、その優勝によって、今年のマスターズや全米オープン、全英オープンへのアマチュアとしての出場がすでに約束されていた。

せっかく得ているメジャー大会への出場資格をアマチュアのステイタスを維持したまま、行使するのか。それとも、すぐにプロ転向を宣言し、PGAツアーのメンバーとなって、プロゴルファーとしてのキャリアをスタートするのか。

ザ・アメリカンエクスプレス優勝直後の会見で、ダンラップは「僕がこの大会後にすぐにプロになることを、コーチもチームメイトも、誰も考えていなかったはずだから、僕の決断は、たくさんの人々に大きな影響を与えてしまう」と語った。

翌週のファーマーズ・インシュアランス・オープン(1月25日~28日)にも推薦出場することがあらかじめ決まっていたダンラップは、考える時間を作りたいとのことで、同大会を欠場。家族や大学ゴルフ部のコーチ、チームメイトらとも話し合い、プロ転向することを決めた。

PGAツアーメンバーとなったダンラップは、ザ・アメリカンエクスプレス優勝者として、賞金総額2000万ドルのシグネチャー・イベントの今季の残り7試合と、メジャー大会はマスターズ、全米プロ、全米オープンに出場することができる。

全英オープンはアマチュア資格を維持していない限り、全米アマ優勝者の資格で出場することは認められないことが慣例となっており、プロの場合は、世界ランキングで上位50位以内に入ることが求められる。ダンラップはザ・アメリカンエクスプレス優勝後に4129位から68位へジャンプアップしているが、現時点では全英オープン出場資格は満たしていないことになる。

ダンラップは2月1日からカリフォルニア州で開催されるシグネチャー・イベントのAT&Tペブルビーチ・プロアマでプロとしての初戦を迎える。優勝賞金は360万ドル(約5億3100万円)。プロになったこれからは、優勝トロフィーのみならず、ビッグな優勝賞金も持ち帰ることができる。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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