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PGAツアー選手のビョンフン・アン、ドーピングで3カ月間の出場停止処分

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 PGAツアーは10月11日(米国時間)に声明を出し、32歳の韓国出身選手、ビョンフン・アン(通称ベン・アン)がWADA(世界ドーピング防止機構)が定める禁止薬物を使用したとして、3カ月の出場停止処分に科していることを発表した。

 PGAツアーの声明によると、アンは韓国国内では薬局で一般的に購入可能な咳止めの薬を服用したが、その中に禁止薬物の成分が入っていたとのこと。検査等のすべてのプロセスにおいて、「アンはすべてを認め、協力的な姿勢だった。PGAツアーとしては、これ以上のコメントは差し控える」とも記されている。

 アンの出場停止処分は8月31日から11月30日までの3か月間で、12月1日以降はPGAツアーへの復帰と試合出場が可能となる。

 アン自身もインスタグラムで、ドーピングとなった経緯を説明している。

 「今年8月、風邪気味で咳に悩まされ、症状は悪化していった。母から韓国で広く売られている一般的な咳止めの薬を勧められた。母も僕と似たような症状があったが、その薬で改善された。その薬に禁止薬物の成分が含まれていた」

 薬に含まれる成分を確かめずに購入し、服用したことを、アンは「軽率な行動だった。とても後悔している」と記し、「PGAツアーのサポートに感謝している。来年、ツアーに復帰できる日を楽しみにしている」と前向きな言葉で締め括った。

 アンは韓国ソウルの出身。韓国人の父親と中国人の母親は、どちらも卓球の五輪メダリスト。大学は米国のカリフォルニア大学バークレー校へ進み、2009年に全米アマチュアを史上最年少の17歳で制した。2011年にプロ転向。2015年にDPワールドツアーで1勝を挙げた後、2016年からPGAツアー選手として本格参戦を開始した。2019年にはプレジデンツカップの世界選抜チーム入りを果たした。

2020-2021年シーズンにシード権を失い、翌年は下部ツアーのコーンフェリーツアーに参戦したが、そこで1勝を挙げるなどの活躍でトップ50入りを果たし、2023年はPGAツアーに復帰。PGAツアーでは未勝利だが、今季はウインダム選手権で2位タイに食い込むなど成績は上昇。世界ランキングは現在53位に付けている。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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