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#タイガー・ウッズ マスターズ以来、5か月ぶりの登場と練習風景に米ゴルフ界が騒然

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 9月12日(米国時間)の朝、米ゴルフ界がにわかに騒々しくなった。

 「タイガーがドライビングレンジに現れた」

 「タイガーが球を打っている」

 SNSには、そんなフレーズとともに、ニューヨーク郊外のリバティナショナルGCの練習場で #タイガー・ウッズ (47歳)を捉えた動画が次々にアップされ、米メディアは追加情報の収集と速報に追われた。

 ウッズがゴルフクラブを握り、実際に球を打つ姿が公の場で見られたのは、今年4月のマスターズ以来、実に5か月ぶりだった。

 2021年2月の交通事故で重傷を負った右足は、依然として完治には至っておらず、今年、ウッズが出場した大会は、わずか2試合のみだ。

 2月に開催された「ウッズの大会」ジェネシス招待では、4日間を戦い通したものの、45位タイに終わった。

 4月のマスターズでは、悪天候による不規則進行の中、予選通過を果たしたものの、ウッズの右足は日に日に痛みを増していき、日曜日にずれ込んだ第3ラウンドの残りを消化できないまま、無念の途中棄権となった。

 その翌々週の4月19日、ウッズは右足の外傷後関節炎を治すための手術をニューヨークの病院で受けた。

 以後、長男チャーリーくんのジュニア大会の会場でウッズが目撃されたことは何度かあったが、ウッズ自身が球を打つ姿が目撃されたのは今回が初めてとなった。

 今週、リバティナショナルでは、ウッズ財団が主催するチャリティ大会「ネクサスカップ」が開催される。

 そこにウッズが居合わせることは、ある意味、当然ではあるのだが、大会会場の練習場でウッズ自身がゴルフクラブを振ったことは、米ゴルフ界を驚かせるビッグニュースであり、朗報でもあった。

 短パン姿のウッズの右足には、手術を受けた部位を保護する黒いサポーターが付けられていたが、張りのある筋肉がシャツの上からでも見て取れる上半身は、姿が見られなかった間もトレーニングを怠ってはいなかったことを如実に物語っていた。

 練習場の打席には、リッキー・ファウラー、ウィル・ザラトリスの姿も見られ、ストレッチやウォーミングアップをしながら親しげに言葉を交わした後、3人はアパレル会社「イーストサイド・ゴルフ」のスポンサードによるゴルフクリニックに参加。

 このゴルフクリニックはインスタグラムで生中継されたが、ウッズは時折り、おどけるような素振りも交えながら、20分ほどの撮影をそつなくこなしていた。

 米ゴルフウィーク誌やスポーツイラストレイテッド誌によると、ウッズはウエッジでピッチショットやチップショット、片手打ちなどを行っていたが、フルスイングは一度も行わなかったとのこと。

 しかし、今、こうして練習場で球が打てるようになったことは、12月半ばに開催される「親子大会」PNCチャンピオンシップに、今年もチャーリーくんとともに出場できるのではないか?ウッズは、すでにそのつもりなのではないか?

 ウッズが姿を見せ、球を打っただけで、米ゴルフファンやメディアの間には大きな期待が広がっていく。

 ウッズの存在感と影響力は、今なお多大だ。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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