戦いの場が法廷へ移されつつあるゴルフ界の泥沼戦争。リブゴルフへ移籍した11名の選手が古巣のPGAツアーを訴え、そのうちの3名が来週11日から開幕するプレーオフ・シリーズへの出場許可を求める仮処分を申請している。

 審問は9日(米国時間)に開かれることになったが、訴状の中身が早くも米メディアによって報じられ、聞くに耐えない内容に耳をふさぎたくなる。

 もちろん、105ページにわたる訴状は、PGAツアーに背を向けてリブゴルフへ移籍したフィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンら11名から出された一方的な訴えであり、その真偽のほどと正当性が問われるのが法廷ということになる。

 米ゴルフウィーク誌は、訴状の中に、まことしやかに綴られている内容の一部を紹介しているが、そこにはオーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長に関する記述が多々ある。

 たとえば、こんな具合である。

 「PGAツアーはオーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長に対し、リブゴルフに移った選手のマスターズ出場を禁止するようプレッシャーをかけた」

 「PGAツアーのジェイ・モナハン会長は、リドレー会長にPGAツアーのプレーヤーズ・ミーティングに出席するよう求めたが、結果的にリドレー会長は欠席。しかし、モナハン会長はミーティングに集まった選手たちに対し、PGAツアーとオーガスタ・ナショナルは歩調を合わせてリブゴルフに対抗すると断言した」

 「リドレー会長は『リブゴルフに出たら、マスターズには招待しない』と言って、選手たちを脅した」

 「『マスターズに出られなくなる』という強力な武器を使って、PGAツアーとオーガスタ・ナショナルは選手たちのリブゴルフへの移籍を阻害しようとした」

 「リドレー会長は、アジアツアーのチョー・ミン・タン会長とR&Aのマーチン・スランバーズ会長を呼び、アジアツアーがリブゴルフと協調姿勢を取り続けるのなら、現在のゴルフ界の生態系におけるアジアツアーの立ち位置が今後どうなるかはわからないと脅した」

 挙句の果てには、こんな下りもあった。

 「リドレー会長は数人の選手に直接声をかけ、『リブゴルフへ行かないでほしい』『マスターズのフィールドが弱くなるから』と言った」

 あくまでも訴状の中身であり、真実かどうかは、わからない。

 現状では、ミケルソン、ジョンソン、セルジオ・ガルシア、パトリック・リード、チャールズ・シュワーツェル、そしてバッバ・ワトソンも加わり、合計6名のマスターズ・チャンピオンがリブゴルフへ移籍している。

 PGAツアーに対する訴状だというのに、その中にオーガスタ・ナショナルやリドレー会長に関する記述が多いことは、リブゴルフにマスターズ覇者6名が移籍したという事実と、何かしら関連があるのか、ないのか。

 いずれにしても、リブゴルフ側が提出した訴状によって、PGAツアーとリブゴルフの対立にオーガスタ・ナショナルも“公けに”巻き込まれ、対立が拡大しつつあることは間違いなく、泥沼戦争のドロドロは、今後ますます激化していきそうである。

 何のため、誰のための泥沼戦争なのか。たとえ泥沼に浸かっても、それだけは忘れてほしくない。