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全米プロ会場で早くも練習開始。ゴルフ界の王者タイガー・ウッズの「歩き方が変わった」!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 タイガー・ウッズが今週開幕する全米プロゴルフ選手権(5月19日~22日)の会場サザンヒルズ(米オクラホマ州タルサ)に15日(米国時間)に到着し、早くも練習ラウンドを行なった。

 ウッズが試合に出場するのは4月のマスターズ以来となる。昨年2月の交通事故で右足に重傷を負ったウッズにとって、14か月ぶりの戦線復帰となったマスターズの際は、初日こそ71をマークして好発進を切り、予選通過を果たしたものの、右足の痛みと腫れは日に日に増していき、土日はどちらも78と振るわず、47位に終わった。

 オーガスタ・ナショナルを去るときは、次なるメジャー大会の全米プロに出場するかどうかの明言を避けていたウッズだったが、4月下旬にはサザンヒルズを訪れて下見を兼ねた練習ラウンドを行ない、いざ全米プロ・ウィークが始まろうとしている15日(日曜日)の早朝、自宅のあるフロリダ州ジュピターからプライベートジェットに乗り込み、早々にオクラホマ州タルサへやってきた。

 とはいえ、メジャー15勝、通算82勝の実績を持ち、このサザンヒルズで前回開催された2007年全米プロの覇者でもあるウッズが、いまさら焦ったり勇み足になったりするはずはない。

 現地で待ち構えていた米メディアたちと立ち止まって談笑する余裕を見せたウッズは、マスターズ翌日の月曜日こそ右足の状態は「ひどいものだった」が、その翌日には「ジムにも行けるほど回復した」ことを明かし、「マスターズのときより、右足は格段に回復して強くなっている。(事故以前の状態に)完全回復することは決してないけど、今は使えば使うほど強くなっている」と笑顔で語ったという。

 ウッズのこの日の練習ぶりを間近に眺めた米メディアは「タイガーの歩き方が変わった」と口を揃える。

 右足の痛みを抱えながら恐る恐る歩いていたマスターズのころと比べると、サザンヒルズを回ったこの日のウッズは、以前のような激しい痛みから解放されつつあるせいか、胸を張って堂々と歩いていたそうで、「背が高くなったように見える」「自信に溢れている」と、昔からの「ウッズ番記者」たちも、うれしそうだった。

 ウッズ自身、弾けるような笑顔を輝かせており、その笑顔から彼の心身の状態が良好であることやゴルフの手ごたえが良いこと、自信さえ抱いていることが伝わってくる。

「とても興奮している。今、とても楽しい気分だ」

 肉体面が大幅に回復し、メンタル面が充実した状態で、これから全米プロに挑むウッズが、好プレーを披露し、優勝争いに絡んだとしても、もはやそれは「驚き」ではない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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