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米ツアーのモナハン会長、苦悩する中、沈黙を破って声明。「私たちはファミリーだ」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
米ツアーのジェイ・モナハン会長(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

米ツアーのジェイ・モナハン会長は、黒人男性死亡事件と米内外に広がっている人種差別に対する抗議活動に対し、長い沈黙をようやく破って、ようやく声明を出した。

「自分の役割は何なのか。何を言い、何をするべきか。ずっと悩み続けているが、諦めたりはしない」

モナハン会長は、白人として人種差別という根深い問題に対してどう向き合い、対応するべきかに苦悩していることを明かし、「耳を傾け、理解しようとするしかない」と綴っている。

だが、声明の最後では、こう呼びかけている。

「今回の事件のみならず、この21世紀に今なお存在する人種差別について、数分間、よく考える時間を、どうか、みなさんに取ってほしい。これは、みんなの問題なのだから」

ツアー再開やツアーの拡大のため、常に積極姿勢を貫いてきたモナハン会長だが、今回は会長としてもツアーとしても、なかなか意思表示をせず、米メディアや一部からは批判的な声が上がっていた。

「米ツアーはこの問題にはスロー」

「米ツアーはこの問題にはサイレント」

「タイガー・ウッズやハロルド・バーナーのツイートをリツイートしただけで、何もしていない」

この声明で、モナハン会長は、意思表示をしなかったのではなく、苦悩していて意思表示出来なかったことが端々から伝わってきた。しかし、ようやく口を開く決心をした。

「私たちはファミリーだ。誰かが傷ついたら、みんなが心を痛める」

そんな声明の締め括りが心に強く響いた。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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