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「マスターズは予定通り開催」の声明にひとまず安堵も、膨らむ不安と不確定要素

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
昨年はタイガー・ウッズの復活優勝で沸いたマスターズ。今年も是非と願っているが、、(写真:ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、さまざまなスポーツ大会が中止や延期を余儀なくされている昨今、おそらく多くのゴルフファンが心配しているのは「マスターズは開催されるのか?」という点だ。

マスターズ(4月9日~12日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナル)はメジャー4大会の1つであり、シーズン最初に開催されるメジャー大会としても、毎年、大きな注目を集める。今年は、感染拡大に対するメジャー大会の姿勢という意味でも、マスターズがどう対処するかがゴルフ界全体から注目されている。

そんな中、オーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長が4日付けで声明を出し、現状ではマスターズを予定通り、開催する意向を示した。

リドレー会長は「みなさんの安全と健康、幸せがオーガスタ・ナショナルのトップ・プライオリティである」と記した上で、国内外の健康・保健等の管轄省庁と十分な検討を重ねた結果、「予定通り、開催することを決めた」と発表した。

「予定通り」であれば、マスターズ開幕直前に「オーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権」最終ラウンド(4月4日)が、翌5日には子どもたちが参加する「ドライブ・チップ・エンド・パット」のナショナル・ファイナルがオーガスタ・ナショナルで行なわれ、6日から、いわゆる「マスターズ・ウィーク」へと続くことになる。

とはいえ、この声明はあくまでも「現状下では」という前提で出されたものであり、「今後も状況を注視しつつ、必要に応じて、すべての人々の安全のための適切な行動を取る」と記している。

マスターズはメジャー4大会の中で最も狭き門。「マスターズに出たくてプロゴルファーになった」という選手は決して珍しくない。今年も、ようやく掴んだオーガスタ・ナショナルへの切符が無駄にならないようにと願っている選手は多く、リドレー会長が発したこの声明で、ひとまず安堵した選手もいることと思う。だが、すべては今後の状況次第であることは言うまでもない。

マスターズのみならず、オーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権やドライブ・チップ・エンド・パットに出場予定のアマチュア選手や子どもたち、その家族、世界中からやってくるはずの大会関係者やギャラリー、メディア関係者の渡航手段や入国可否の問題も心配され、日々、不安は膨らんでいる。

「声明」では「予定通り」とされたものの、今後も、さまざまな不確定要素に冷静に向き合っていくしかない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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