ZOZOチャンピオンシップ出場者発表、10月に来日する豪華な顔ぶれの選手たちがひっそり抱く「下心」

豪華な顔ぶれが集結するZOZOチャンピオンシップ。選手たちが抱くある想いもある(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月に千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野CCで開催されるZOZOチャンピオンシップ(10月24日~27日)は、米男子ツアー、そして世界一の男子ツアーでもあるPGAツアーが日本で初開催される記念すべき大会だ。

 同大会の出場枠はPGAツアーから60名、日本ツアーから10名、主催者推薦8名の合計78名。そして、日本ツアーからの10名を除く68名が、昨日26日に発表された。その顔ぶれが、なかなかすごい。これだけの豪華メンバーが初開催大会に大挙して出場するのは「異例」「初」と言っても過言ではない。

 どうして、こんなにも豪華な顔ぶれが揃ったのか。その背景には、多くの選手たちが明らかに抱いている「下心」がある。

【豪華選手たち】

 ZOZOチャンピオンシップ開幕前の21日に、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイ、松山英樹の4人が激突する豪華スキンズマッチが開催されるため、この4名の大会出場は早々に決まっていた。

 そして、今回発表された出場選手たちも豪華メンバーばかりだ。昨季のフェデックスカップランキング上位から決定された60名の中には、今年の全英オープンを制したシェーン・ローリー、2017年全米プロ覇者のジャスティン・トーマス、メジャー3勝のジョーダン・スピース、2013年マスターズ覇者のアダム・スコットなどが名を連ねている。主催者推薦8名の中には、石川遼など日本人3名が含まれているほか、マスターズ2勝のバッバ・ワトソンもいる。

 決定した68名の中には、メジャー15勝、通算81勝のウッズを筆頭に、PGAツアー覇者が53名、フェデックスカップ年間王者が6名、メジャー優勝者が14名もいる。

「過去数年、僕はアジアで結果を残している。そのときに経験した良い感覚を引き出せればいいなと思う」とは、トーマスの言。

 とはいえ、初開催大会となると、たとえ米国内であっても、大会運営上の手際、コース設定、観客の観戦マナーなど選手にとっての不安要素はいろいろあるもの。だが、日本での初開催にこれだけのスターが集結する理由は、いくつか考えられる。

 1つは、2020年東京五輪を睨んだ日本視察という目的だ。東京五輪でゴルフの会場となる霞が関CCを秘かに訪れる選手が出てくるのではないかと早くも囁かれている。

 そして、もう1つは、優勝賞金約2億円、賞金総額約11億円という破格のプライズマネーだ。この金額はメジャー大会や世界選手権シリーズといったビッグ大会に次ぐ最高レベル。しかも予選落ちがない4日間大会ゆえ、格別に「おいしい大会」と言うことができる。

 だが、強豪選手たちがこぞって来日するさらなる理由は、12月にオーストラリアで開催されるプレジデンツカップ出場をかけた「下心」だ。

【候補者たちの「下心」】

 今年のプレジデンツカップはロイヤル・メルボルンCCで開催され、米国チームはタイガー・ウッズが、世界選抜チームはアーニー・エルスが、それぞれキャプテンを務める。

 両チームとも各々8名のチーム入りがポイントランクに基づいて、すでに確定しており、残る4名は11月4日にキャプテン推薦で決まることになっている。

 その米国4名、世界選抜4名の推薦枠を狙い、キャプテンへの最後のアピールを行なうために、ZOZOチャンピオンシップは絶好のチャンスになる。

 キャプテン推薦の候補に挙がっている選手たちを眺めてみると、世界選抜チームは、2週間前に初優勝を飾ったばかりのチリの20歳、ホアキン・ニーマンや昨季の新人賞を受賞した韓国のイム・ソンジェ、それにポイントランク8位に漏れたジェイソン・デイも候補の1人だ。

 米国チーム側の候補には、さらに有名どころがずらりと並んでいる。今年の全米オープン覇者であるウッドランドは、意外にもまだチーム入りが確定しておらず、キャプテン・ウッズの推薦を心待ちにしている。

 マスターズ覇者のリードも、昨今、勢いを増しているトニー・フィナウやケビン・キズナ―、ベテランのビリー・ホーシェル、注目新人のコリン・モリカワ。キャプテン推薦を狙う誰もが「僕を選んでください」とウッズにラブコールを送りたがっている。

 そのウッズ自身が出場するZOZOチャンピオンシップに自分も出場し、ウッズの目前でアピールしようと目論んでいる米国チームの候補者たち。エルスに見てほしいと願っている世界選抜チームの候補者たち。そのほとんどが、10月に習志野へやってくる。

 そんな「下心」が結果的にZOZOチャンピオンシップの豪華フィールド形成につながった。プレジデンツカップのキャプテン推薦の候補者リストとZOZOチャンピオンシップの出場者リストが、見事に重なっている背景には、そんな事情がある。

【揃った条件、フル活用】

 「下心」はいけないということか?いやいや、答えはその逆である。「太平洋を渡って日本へ行こう」「初開催の大会に出よう」「いいプレーをしてキャプテンにアピールしよう」などなど、なんであれモチベーションになるものはウエルカムである。

 五輪の視察、破格の賞金、そして「下心」。条件が揃ったからこそ、日本初開催の大会が大いに盛り上がろうとしている。それは、大会を迎える日本にとっても、大いなる朗報である。

 そして、揃った条件をフルに生かし、モノにするのが一流のプロたるもの。ZOZOチャンピオンシップが楽しみだ。

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て、89年に独立。93年渡米。以後、米ツアー選手たちと直に接し、豊富な情報や知識をベースに米国ゴルフの魅力を独特の表現で発信し続けている。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。26年間の米国生活に区切りを付け、2019年から日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、さらには武蔵丘短期大学客員教授を務めるなど活動範囲を広げている。

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