マスターズを制したタイガー・ウッズ、次なる全米プロは超豪華クルーザー「プライバシー号」で参戦!?
今年のマスターズを制し、メジャー15勝目、米ツアー通算81勝目を挙げたタイガー・ウッズが、次なるメジャー、全米プロ(5月16日〜19日)に自身が所有する超豪華クルーザー「プライバシー号」に寝泊まりしながら臨む見込みである。
今年の全米プロの舞台はニューヨーク州ロングアイランドにあるベスページ。すでに、コースからわずか13マイルのオイスター湾にプライバシー号が停泊していることが確認されている。渋滞が頭痛の種となるNY周辺に宿泊することを避け、ウッズは海上の「我が城」を拠点にして戦うものと米メディアは見ている。
ウッズは、やはりロングアイランドにあるシネコックヒルズで開催された昨年の全米オープンの際も、プライバシー号をホテル代わりにして参戦した。残念ながら、そのときは予選落ちに終わったが、すでにマスターズ5勝目を挙げて大復活している今のウッズは、恐る恐るメジャーに挑んでいた昨年のウッズとは別人のごとく蘇っている。
プライバシー号は、ウッズが2004年に2000万ドル(約22億円)で購入した大型クルーザーだ。6500スクエア・フィートの船内にはジムやジャグジー、バーもあり、エレベーターも完備されている。4つのキャビンにはゲスト10人が宿泊できるそうで、クルー9人を含めた合計21人乗り。維持費だけでも毎年200万ドル(約2億2000万円)ほどが必要になると言われている。
ウッズのプライバシー号と言えば、思い出されるのは、2009年暮れから始まった不倫騒動だ。ウッズの愛人を名乗る女性が次々に現れた一連のスキャンダルが収束し始めたころ、一部の米メディアや人権保護団体から、ウッズのプライバシーを守る必要性を唱える声が上がった。
不倫騒動の根本原因を作ったのは、言うまでもなくウッズ自身ではあったが、プロゴルファーのゴルフ以外の私生活面をどこまでも暴くことの是非が問われ、度を越した報道を疑問視する人々が、ウッズの人間としての権利を守る必要性を強調した。その際、このプライバシー号のネーミングが注目を集めたのだ。
当時、米メディアが報じた記事に、こんな一説があった。
「タイガーはプライバシーを欲している。世間の耳目に晒されない自分だけの時間と空間を何より必要としている。だからこそ、タイガーは自身のクルーザーに『プライバシー号』と名付けたのだ」
あのころのウッズには、世間の好奇の目から逃れ、プライバシーを維持する必要性が確かにあった。
そして今、マスターズ5勝目、メジャー15勝目を挙げたウッズには、次なるメジャー優勝への大きな期待が寄せられており、彼にのしかかっているプレッシャーは大きく重い。
しかし、人生の山谷を乗り越え、人々のサポートや声援のありがたみを痛感しているウッズは、注目や期待から逃れるためではなく、自身の心技体すべてを整え、ベストな状態で全米プロに臨むために、プライバシー号を活用しようとしている。
見事、勝利を挙げることができたら、祝勝会はプライバシー号で船上パーティー。そんな場面が見られることを、全米中、世界中のウッズファンが待ち望んでいる。