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続「ウッズ引退示唆!?」 数々の秘話を一気に明かしたタイガー・ウッズ、やはり引退は近いのか!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
もう、こうした戦うウッズの姿を見ることはないのか?(写真/平岡純)

「マミー(母)とダディー(父)が同じ家で一緒に暮らしていないのは、ダディーが過ちをおかしたからなんだよ」

タイガー・ウッズは8歳になる長女サムと6歳になる長男チャーリーに、そう話して聞かせたのだそうだ。

「過ち」は、言うまでもなく、2009年暮れに勃発したあの不倫騒動のこと。いや、厳密に言えば、あの騒動に至るまでの数々の行ないのこと。

「インターネットを使う年齢になる前に、学校で友だちたちから(曲がって)聞かされる前に、僕の口から話したかった。」

自らの恥部とも言える過去を、自ら子供たちに話し、そうやって話して聞かせたことを公けにしたウッズ。

1996年のプロ転向以来、私生活や胸の奥底に秘めた思いを語らずに来たウッズが、ついに口元を緩めた言動の変化は、一昨日の会見に引き続き、やはり引退を示唆しているのではないか。

米ゴルフ界は、またまた騒然となった。

【数々の秘話】

今週は“タイガー・ウッズの大会”、ヒーロー・ワールド・チャレンジがバハマで開催されている。長年の腰痛が再び激痛と化し、9月と10月に続けざまに腰のヘルニア手術を受けたばかりのウッズは、プレーヤーとして大会に出場することはできず、大会ホストとして会場を訪れている。

一昨日は開幕前の会見で「トンネルの向こう側に光が見えない」と復帰の目途が立たないもどかしさを語り、「これで終わりにはしたくないけど、もし、そう(復帰)できないのなら、他の道を探す」と語ったばかり。そんな引退示唆とも受け取れるウッズの発言を受け、米ゴルフ界のみならず世界のゴルフ界が騒然となったばかりだ。

そして今度は、米タイムマガジン誌によるロングインタビューが行なわれ、その内容が明かされて、再び米ゴルフ界が騒然となった。

これまでウッズがただの一度も明かしたことのなかった数々の秘話が、ゴルフのこと、肉体のこと、そして私生活に至るまで、次々にウッズ自身の口から綴られたからだ。

今年2月の途中棄権の際も痛みは周囲の想像以上だったようだ(写真/舩越園子)
今年2月の途中棄権の際も痛みは周囲の想像以上だったようだ(写真/舩越園子)

【助けも呼べず、動けず】

たとえば、手術を重ねてきた腰は、本当のところ、どれぐらい悪化していたのかを物語るこんな秘話が明かされた。

「家のすぐ裏でバンカー越えのフロップショット(ロブ風に高く上げるショット)を打った瞬間、神経に激痛が走り、その場に倒れ込んだ。

携帯は持たずに練習だけしに出てきていたから、助けも呼べず、地面に倒れたまま動けなかった。でも神様のおかげなのか、お父さんっ子で僕にいつもまとわりついてくる娘のサムが、そこへやってきた。

『ダディ、地面に寝そべって何してるの?』『サム、ここに来てくれてありがとう。誰かを呼んで、カートを持ってきてくれるよう頼んでくれるかい?』

『どうしたの?』

『腰が良くないんだ』

『また?』

『そう、またなんだ。お願いだから、誰かを読んできてくれるかい?』」

過去には手術、リハビリ、復帰を繰り返してきたが、、、(写真/舩越園子)
過去には手術、リハビリ、復帰を繰り返してきたが、、、(写真/舩越園子)

【もう手術は受けたくない】

これまでウッズが受けた手術は数限りない。過去の手術では、そのたびにリハビリと復帰の目途が立ち、実際、復帰しては勝利を重ねてきたのだが、今年の9月と10月に続けざまに受けた腰のヘルニア手術後は「過去のケースとは違う」。

回復の見通しも復帰の目途も立たず、子供たちと走り回ったり、サッカー遊びをすることもできない。

「もう、これ以上、手術を受けたくはない」

ゴルフのため、復帰のために手術を受けるより、最愛の子供たちと共に過ごすQOL(クォリティ・オブ・ライフ)を優先したいのだとウッズは語った。

【前妻は親友になった】

さらには、不倫騒動直後に離婚した前妻エリーとの現在の関係や近況も明かした。

「(騒動後は)とても大変だったけど、歳月が流れるにつれ、僕らは親友みたいになって、とても楽しい。彼女は彼女の人生を、僕は僕の人生を、お互いに語り合い、ことあるごとに助け合おうとしている。子供たちの親であることを通して、僕らは僕らの在り方を見い出している」

良き父、良き人間になろうとしているウッズに声援を送りたくなる一方で、圧倒的強さとカリスマ性を誇ったあのタイガー・ウッズが現役生活に終止符を打とうとしていると思うと、寂しさを感じずにはいられない。

「こういうふうに思ってほしい。僕は引退を望んでいるわけじゃない。引退を計画しているわけでもない。でも、そうなるなら、そうなる。僕は、従うのみだ」

運命、宿命に従うのみ。かつての王者の引退を左右できるのは、もはや神のみのようだ。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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