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【2013年注目すべきJ-POP】AZUMA HITOMIが奏でる新時代のマシンポップ!

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
AZUMA HITOMI ライブ写真

【2013年注目すべきJ-POP:AZUMA HITOMI】

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●エレクトリックガール・メーカーズ・ミュージックの時代へ

2013年の音楽シーンは、エレクトリックガール・メーカーズ・ミュージックの時代へ。

いわゆる、インターネットによる情報革命が生み出した“個人クリエイターの時代”の発露を予感させる、一歩進んだ“宅録女子”が生み出す最新鋭のサウンドに注目というわけだ。

海外では、昨年『サマーソニック2012』に出演して注目を集めた、バンクーバーを拠点に活動中のキュートなルックスにも注目が集まるGRIMESなど、英メディア『NME』を中心に盛り上がっている次世代エレクトリック・ガール・レヴォリューション。

日本では、思想家である東浩紀がストーリー原案を手掛けた話題のTVアニメーション『フラクタル』の主題歌「ハリネズミ」によってメジャーデビューした、AZUMA HITOMIに注目をしたい。

●テン年代を代表する、革新的な音楽活動を続けてきた逸材

AZUMA HITOMIは、小学校高学年より楽曲作りを開始、中学時代より宅録=DTM(デスクトップミュージック)に目覚め、音楽を制作する青春時代を過ごした。

その後もUSTREAMで実験音楽工房『じっけんじゅんびしつ』を主催、さらにテン年代を代表するDIYムーヴメントであるネットレーベルの雄、『Maltine Records』から作品をリリースし、ライブストリーミング・カルチャーを牽引するソーシャルTVステーション『2.5D』(※現在、渋谷PARCO PART1 6Fにスタジオを持つ)にて継続的に実験的なイベントを実施してきたなど、革新的な音楽活動を続けてきた逸材だ。

●シンセポップに彩られ、魔法の図書館のような音世界

これまで彼女は、自身のクリエイティヴに先入観を持たせない為に自らのヴィジュアルを決して表立ってはあらわさなかった。

そのかわり、カルチャー・シーンでは知らない者はいないマンガ家の西島大介によるイラストレーションをメインヴィジュアルとした多面的なアプローチでファンを魅了してきた。

1stシングル「ハリネズミ」は、DJ JIMIHENDRIXXX(a.k.a Keiichiro Shibuya)がリミックスを行うなど、その注目度は高い。

音楽性としては、グローバル・ポップなセンスを取り込んだシンセポップなテクノ使いに、情景を思い浮かばせる日本語歌詞を溶け込ませている。解き放たれるサウンドはまるで、夢の世界を表現する魔法の図書館のような独特な空気感を構築しているのだ。

●時代と呼応するネットカルチャー発信による最良の結実

AZUMA HITOMI の音楽活動の集大成となる、2013年春(4/24@エピックレコードジャパン)にリリースされる大作アルバム作品『フォトン』には、ヒットシングル「ハリネズミ」、「きらきら」はもちろん、ひだまりのような暖かさが魅力な「にちよう陽」、文系デジタルパンクな「破壊者アート」、ミニマルなビートが小気味良い攻めのエレクトロ・ナンバー「かさぶたとチェリー」、爆裂テクノ・チューン「情けない顔で」など、女性ソロ・シンガーソングライターとして革新的なアプローチを繰り広げている。

もはや、彼女の作品を耳にしていると、宅録は内向的なレコーディング方法ではなく、時代と呼応するネットカルチャー発信による最良の結実であるといえるだろう。

これまでポップは時代とともに再定義され続けてきた。80年代、YMOが世界に提示した、日本ならではのポップカルチャーのエッジーな息吹きを、2013年、AZUMA HITOMIは物語性の高いマシンポップとして向き合っているのかもしれない。芳醇なメロディに耳がいきがちな彼女の良質なサウンドには、日常を裏返す複雑な真実が見え隠れしているようにも思える。そのことにあなたは気づくだろうか?

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happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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