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イケメンなのか、違うのか? 役名の通りストレンジな人、ベネディクト・カンバーバッチ

渥美志保映画ライター
(写真:REX FEATURES/アフロ)

イギリスの連続ドラマ『シャーロック』の大ヒット以来、ハリウッドでも引っ張りだこのベネディクト・カンバーバッチ。『スタートレック』というフランチャイズの出演を経て、ついにハリウッド一の稼ぎ頭、アメコミ・ブランド「マーヴェル」の一員に!という作品が、今月公開の『ドクター・ストレンジ』です。

演じる「ドクター・ストレンジ」は、もともとは天才的な手術の腕前を持つ医師だったのですが、事故でダメにした両手を取り戻すために、チベットで魔術師に弟子入り……という文字にしてみると、ものすごくありえねー!という設定なのですが、映画はそりゃもう恐ろしくお金をかけた「うわあああああ!」という映像の洪水で、アホか!と思う設定など考える暇もないほどに楽しませてくれます。

さてこの「ドクター・ストレンジ」さん、「変なお医者さん」という意味ではなく、「ストレンジ」という苗字、日本人にするなら「変田先生」くらいの感じ、要するに非常にマンガちっくな名前です。「おそ松さん」が「お粗末な人」であるように「変田先生」も相当変な人で、これがまた俳優カンバーバッチの得意技です。もちろん普通の人を演じている作品もあるし、それはそれで悪くないのですが、変な役のほうが嬉々として演じているように見えるのは、そもそもそれがご本人そのままだからじゃないかと思います。

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そのお茶目な変人ぶりは、オスカーのレッドカーペットなどで仕掛けるフォトボム(他人の写真の背景に変顔で映り込む)の数々などでも知られていますが、私が最も好きなのは、決して二枚目とは言えない自分の顔を「カワウソと愛すべきサムシングが混ざった顔」と自らネタにした上に、その顔を結構気に入っていることです。そしてこちら、イギリスのトーク番組では、それをネタにこんなこともやっています。英語の番組ですが、43秒あたりから、もはや言葉とか関係なく爆笑です。

ジョニー・デップを完全に添え物にしてしまうこの魅力。もう愛さずにはいられませんね。カンバーバッチ。

『ドクター・ストレンジ』

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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