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『スターウォーズ』だけじゃない! 12月におすすめの、絶対に面白い映画6本!

渥美志保映画ライター

1日にあげようと思ってたのに遅くなっちゃいましたが、おまたせしました、今月のおすすめ映画。年末ったらクリスマスでしょ。クリスマスっていったらラブストーリーに決まっとるやないか!ということで、今月は「恋愛もの」を多めに6本をセレクトしてみましたー。

今年の年末は全世界的に『スターウォーズ フォースの覚醒』ムードに覆われちゃっていますが(てか、もちろん私も楽しみなんですけども!)、みんながみんな1本に集中してる世界とかつまらんし、映画ライターの商売あがったりだわ!ってことで、メゲずにいってみたいと思いまっす!

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実は意外とラブの比重が大きい今回の007は、ダニエル・クレイグの最後の作品?!詳しくはこちらをどうぞ!

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12月4日(金)公開

『コメット』

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あるカップルの6年間にわたる恋の5つの場面を、時間軸を交錯させながら描いてゆく不思議なラブストーリー。流星群が訪れたある夜に運命的に出会い、その後6年もの間、くっついたり別れたりを繰り返してきたデルとキンバリー。自分の本当の気持ちにようやく気づいたデルは、キンバリーの元を訪れるが……。もしあの時にああしていたら―――という感じが、フランソワ・オゾン監督の『ふたりの五つの分かれ道』とか、ライアン・ゴズリング&ミシェル・ウィリアムズの『ブルー・バレンタイン』と似た感覚を覚えるのですが、この作品の場合は現実にデルの夢が混ざり合っていているところ。映像的にもファンタジクかつロマンティックで、理屈としての物語でなく、「言葉で上手くは言えないけど、恋愛にはこういう瞬間ってあるよね」という感覚が描かれた作品。クリスマスにぴったり。

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12月12日(土)公開

『ベテラン』

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型破りなベテラン刑事と極悪の財閥御曹司のバトルを描く痛快活劇。巨大企業のビル内で起きたある男の自殺未遂に不審を覚え、捜査に乗り出した広域捜査隊のソ・ドチョル刑事。その裏に巨大財閥シンジン・グループの御曹司チョ・テオが関係していることを突き止めるが……。監督は『ベルリン・ファイル』のリュ・スンワンで、韓国で今一番人気のあるオッサンと若手とバイプレイヤーを集め、これで面白くならないわけがない!という作品『国際市場で会いましょう』に続いて観客動員1000万人を超えた主演のファン・ジョンミンは、熱血なんだけど暑苦しくない痛快刑事をいつも通りの演技力で魅せてくれますが、注目は悪役チョ・テオ役のユ・アイン。ドラッグにパワハラに暴力に強烈な女性蔑視に、「マジか!韓国の財閥御曹司ってマジでこんなんなんか!」と驚かされる憎々しさ。『トキメキ成均館スキャンダル』と同じ人とは思えません。笑いアクションと勧善懲悪、コテコテの音楽も劇画調のエンドロールもノリノリの、日ごろの鬱憤を吹き飛ばす痛快な作品!

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12月12日(土)公開

『独裁者と小さな孫』

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クーデターが発生した架空の国を舞台に、大統領の座を追われた独裁者と幼い孫息子ダチの逃亡の日々を描く寓話。贅をつくした日々から転落した大統領が、旅芸人を装って海を目指すその道々で出合うのは、かつて自らが種をまいた暴力と憎しみと不幸と悲しみ。わけがわからないまま混乱に投げ込まれたダチの無邪気な疑問に、明確に答えられない大人の世界の醜悪さが胸を突きます。映画の中には大人がダチの目を覆ったり、「子供に見せるな!」と叫ぶ場面がたくさんあるのですが、それは世界のどこでも起こっていること。ラストの展開なんて、NYやパリの同時多発テロをへた世界で毎日のように叫ばれている、そしてたぶん永遠に答えが出せない、でも忘れちゃいけない問いかけとして、心に突き刺さります。

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12月12(土)日公開

『ヴィオレット ある作家の肖像』

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女性として初めて、自らの性を赤裸々に描いた実在の作家ヴィオレット・ルデュックの半生を描く。私生児として生まれ母親への愛憎を抱え、女として愛した男はゲイで、レズビアンとして愛した女はノンケで、作品を書いてもぜんぜん売れず、それは「私がブスだからよおおおおっ!」と荒れまくるヴィオレットの、あまりにまっすぐで恥ずかしげもない痛々しさは――こういう見方は邪道かもしれませんが、可笑しくて可笑しくて。同時にそんなふうに自分のダメっぷりをさらけ出せる彼女が、なんとなーく羨ましくも感じます。映画は35歳で始まり57歳で終わる、言ってみたらあらゆる女性が心身共に最もモヤモヤする時代のリアルに描いていて、アラフォー女性なら誰もが「(同じとは認めたくないけど、密かに)わかる」と共感するに違いない作品。主演は“フランスのあき竹城”ことエマヌエル・ドゥヴォス。変な顔のいい女優さん。

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12月19日(土)公開

『あの頃、エッフェル塔の下で』

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長い海外生活から帰国したパリの空港で足止めを食らい、共産圏のスパイ疑惑で取り調べを受ける外交官ポール。思い起こした青春時代は、やがて生涯でひとつの恋の記憶へと繋がってゆく。故郷の田舎町で始まった憧れの美少女エステルとの恋が、ポールのパリでの大学進学を経てやがて行き詰まってゆくまでを描く。誰にでもある「あの時に、なんでこうできなかったんだろう」と思う恋愛、その若さゆえのどうしようもなさが、切なさと一緒にラストにわーっと押し寄せてくる作品。いわゆるおフランスな難しさがなく、笑いも結構あって、80年代に青春を送った人にはファッションとか音楽とか時代の空気とかに同時代感があるんじゃないかなー。監督はアルノー・デプレシャンで、盟友マチュー・アマルリックが40代のポール役で出演。ドール顔のヒロインは新人女優ですが、ものすごくかわいい~!

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12月19日(土)公開

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映画ライター

TVドラマ脚本家を経てライターへ。映画、ドラマ、書籍を中心にカルチャー、社会全般のインタビュー、ライティング、コラムなどを手がける。mi-molle、ELLE Japon、Ginger、コスモポリタン日本版、現代ビジネス、デイリー新潮、女性の広場など、紙媒体、web媒体に幅広く執筆。特に韓国の映画、ドラマに多く取材し、釜山国際映画祭には20年以上足を運ぶ。韓国ドラマのポッドキャスト『ハマる韓ドラ』、著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』。お仕事の依頼は、フェイスブックまでご連絡下さい。

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