中田英寿が旅をする理由「自分の五感を使って初めてわかることがある。今の時代だからこそ経験が大事」

元サッカー日本代表の中田英寿氏が1月18日、グランドハイアット東京で開催された『シーバスリーガル18年ゴールドシグネチャー・アワード2017 presented by GOETHE』授賞式に出席した。

『シーバスリーガル18年ゴールドシグネチャー・アワード』は“本業のビジネスの成果を通して社会に活力を与えると同時に、社会貢献にも寄与された方”に贈られる名誉賞。「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY(ジャパン・クラフト・サケ・カンパニー)」の代表を務める中田氏は日本の食文化やものづくりを世界に発信する活動が評価され「ビジネスイノベーション カルチュラル部門」を受賞した。

授賞式後のトークセッションで、中田氏が受賞の喜び、日本の良いものについての考え、旅への思いを語った。

「今日ここに経営者として呼ばれていることが、すごく不思議な感じです。サッカーもそうですが、好きなことをやっているだけで、ビジネスとしてうまくいくかは二の次。ただ、好きなことはやり抜けば形になると思っています。逆に中途半端にすると形にはならない。これは絶対だと思います」

「世界中で和食がどんどん増えていて、和食屋さんがあればそこには日本酒があります。でも、『酒』と頼む人は多いですが、銘柄を指定して頼む人は少ない。実際は1000社以上の会社があって、4~5000くらいのブランドがあると思いますが、海外だけでなく、日本の方でもたいていの方は、そのうち10銘柄もきっと言えないと思います。ただ、逆に言えば、それはポテンシャルがあるということ。ウイスキーもそうですが、ブランドとしてきちんと名前を覚えてもらうのは時間がかかることなので、何十年もやり続けていかなければいけないと思います」

「世界にも良いものがあって、日本にも良いものがある。どちらが良いか、ということではなく、情報交換をするだけ、良いものの情報を向こうの情報と交換するだけです。向こうが良いと思えば取り入れるし、そのためには海外のこともきちんと見て理解することが大事だと思っています。海外の文化も、日本の文化も、実際に回ってみて、自分で理解して『だったらこうだな』と考えています。自分が勉強に時間を使わない限り、何もできないと思います」

「旅がなければ僕の人生は成り立たないくらい。いろいろなものを見て、いろいろな人と出会って、それがアイデアになってやりたいことが生まれてきます。今はネットで何でも出てくる時代ですが、自分の五感を使って初めてわかることがあって、今の時代だからこそ経験するということがすごく大事だし、日本は五感を刺激する環境としてすごく恵まれていると思います。自分の五感が鍛えられると感じますし、それがなければそこに真実はないと思っています」

1年前、日本酒イベントを開催する中田氏に話を聞く機会があった。その際も中田氏は、実際に自分の目で見て、実際に人に会うことの大切さを語ってくれた。経験することの大切さ、この人の信念はいつもブレない。