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セルジオ越後が語るザッケローニ監督の功罪「良い人だが、プロとしては失敗」

浅野祐介OneNews編集長

ワールドカップのグループリーグが終了。決勝トーナメントに進出した16カ国にアジア勢の姿はなかった。

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グループリーグで大会を去ることになった日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は退任を表明。このイタリア人指揮官は日本サッカー史にどんな足跡を残したのか。ザッケローニ監督の歩みについて、セルジオ越後氏に話を聞いた。

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「ザックジャパンの4年間が終わった。あのあっけない幕切れに、ぼう然とする選手、悔し涙を流す選手、それぞれの4年間を思うと、彼ら若者たちにもう少しワールドカップの舞台で試合をさせてあげたかったなと思うね」

「けれど、ただ扇情的になっていても日本は強くならない。ザッケローニ監督の何が良くて何が悪かったか。まず前提として、彼は高い年俸をもらって、前回大会を超える結果を残すという使命を課せられたプロだ。そうした意味で、ブラジル本大会のメンバー選びや采配のちぐはぐさだけでなく、この4年間を総体的に見た時に、そのやり方は失敗だったと言わざるをえない」

「忘れちゃいけないのが、コンフェデ杯でも日本は1勝もできなかったことだ。ザックジャパン史上最高のゲームと本人たちも言っていたイタリア戦も、3─4の負け試合だったね。コンフェデ杯とブラジルW杯本大会含め、世界の舞台の真剣勝負では、結局1勝もできなかったことになる」

「監督を変えるタイミングがあったとすれば、コンフェデ杯の後だった。しかし協会は動かなかったし、メディアの追求もファンの不満の声もなかった。これが日本の文化だと言えばそれまでだけど、結果がこうなってしまった以上、改めて考えなおさなければならない時が来ているんじゃないかな」

「ザッケローニ監督の良かった点を探すのは簡単だ。彼は、本当に良い人だった。一人の外国人として、日本に順応し、その文化を理解しようとしてくれた。協会やスポンサーのオーダーにもなんでも応じた。そこはプロとして完璧な仕事をこなしていたね(笑)。さて、次は誰が監督になるかな?」

らしく手厳しい意見ではあるが、日本代表が“次のステージ”に進む上で、指揮官の選択は重要なポイントになる。

「日本代表に足りないものを新しい監督が埋め合わせ、このチームをさらに強くしてもらう時期が来たのかなと思っている。新しい監督が、この4年間で私が与えられなかったものを加味してくれたらいいと思う」

退任会見でそう語った前監督の道を引き継ぐのは誰か? 日本代表の次の“先導者”に注目したい。

OneNews編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAに所属。『ウォーカープラス』編集長を卒業後、動画の領域でウォーカー、レタスクラブ、ザテレビジョン、ダ・ヴィンチを担当。2022年3月に無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」をスタートし、同年9月、「OneNews」創刊編集長に就任。

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