岸田vs.植田の「大バトル」で日銀が惨敗…!1ドル160円の超円安と超物価高でも「脱デフレ宣言」しない岸田の「ヤバすぎる思惑」
岸田と植田の対立で「円安&物価高」が止まらない!
岸田文雄首相は「デフレ脱却していない」といい、日銀・植田和男総裁は「インフレの状態にある」という。この政府と日銀の認識の差が、いまの円安を生んでいるといっても過言ではないだろう。 【一覧】「次の総選挙」で落選する裏ガネ議員の全実名はこちら…! 前編「円安「1ドル160円」攻防のウラで「岸田と植田の大バトル」大勃発…! いよいよ高まる「円ショック&超インフレ」への警戒感」では、そんな岸田首相と植田総裁の対立が、物価高を国民に押し付けている状況を解説した。 困るのは円安だが、そのために一刻も早く、日銀には金利をあげてほしい。しかし、政府と日銀の対立がある以上、日銀は利上げできないと筆者は考えている。 日本はデフレを「脱したのか」「脱していないのか」どっちなのか。なぜ、政府と日銀の間には認識の差が生まれたのだろうか。
「デフレ脱却」したくない政府
政府と日銀が手を結び「デフレ脱却」を目指し始めたのは、2013年1月のことだ。当時、政府と日銀は共同声明を出している。両者は「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現する」ことを目標に、政策連携を強化した。 この時、日銀は「2%の物価安定を目標に金融緩和を推進する」こととした。大規模な金融緩和策実施への裏付けは、この共同声明だった。 日銀は3月19日の決定会合で、デフレ脱却のために行われていた金融緩和策を転換し、利上げを行った。ということは、「デフレを脱却した」との認識が前提になければならない。しかし、政府はデフレ脱却を否定しているのだから、これでは、日銀が政府との約束(共同宣言)を一方的に反故にしたということになってしまう。 では、政府はどのような状況ならば「デフレ脱却」と考えるのだろうか。政府は2006年3月に「デフレ脱却の定義」を明らかにしている。その判断材料として示されたのは、次の4点だった。 ・消費者物価指数が前年比で2%超になる ・GDPデフレーターの前年比がプラスになる ・単位労働コストの前年比がプラスになる ・需給ギャップがプラスとなる その上で、デフレ脱却の定義を「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」とした。 政府が示したデフレ脱却4指標は、現状ではほとんど達成しているのだが、どうやら政府は「再びデフレ状況に戻る見込みがない」という点を根拠に、「デフレ脱却宣言」を渋っているのではないか。