「夏の弁当にミニトマト・ブロッコリーは危険?」食のプロに教わる“夏のお弁当”を傷めないための食材選び、調理のコツ
昼食代を節約するためにお弁当を持参する方も多いと思います。しかし平均気温が30℃を超えるようになった今、そのお弁当は危険かもしれません。今回は夏のお弁当で注意したいポイントについて食の専門家であるスギ アカツキさんに聞きました。 ⇒【写真】ミニトマト・ブロッコリーはNG!? 食のプロが教える“夏のお弁当”の食材選び、調理のコツの詳しい画像を見る
大前提!菌をつけないためにできること
夏にお弁当をつくる際、他の季節と比べてどのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか? 「厚生労働省が食中毒予防の3原則として提唱しているのは『食中毒菌をつけない、増やさない、やっつける』ということです。当たり前のようですが、この3原則が意外とできていない方が多いように思います。 まず『食中毒菌をつけない』ですが、料理の前には必ず手を洗うこと。特にお弁当を詰める時には使い捨てのビニール手袋を着用しましょう。40枚入りが100円くらいで売られています」(スギ アカツキさん) さすがに素手でおかずを詰めることはないですよ……ちゃんとお箸を使っていますし。 「いえいえ、そのお箸に細菌がついていることがよくあるんです。特に木の菜箸は洗ったつもりでも菌が付着していることもあります。それならばビニール手袋をして手で詰めたほうが清潔なこともあるんです。どうしてもお箸が良い場合には食品用のアルコールスプレーを吹きかけてキッチンペーパーなどで拭くと良いですね。できればお弁当箱も食用のアルコールスプレーで除菌してから詰めた方が安心です」(スギ アカツキさん)
夏にお弁当が傷まないためのポイントは「水分」
次に『食中毒菌を増やさない』で大事なのは入れるおかずの種類。ポイントは「水分量のあるものを選ばない」ということです。 「極力水分のない食材が望ましいです。よく言われるのはミニトマト。他にも意外と心配なのはブロッコリーです。水分が多く表面の凹凸が多いことからトマト以上に腐ると言われています。ジャガイモも水分量があるのでNG。仕切るためにレタスを敷いている人もいますが、生野菜は細菌がもともと付着していることもあるので絶対に止めてほしいです。 半熟卵も危険です!玉子焼きならいいでしょ?と聞かれることもありますが、だしを入れることも多いので気をつけてほしいですね。安全性を優先すると、どうしても卵を持参したい場合はゆで卵を殻付きの状態で持っていくなら良いと思います。コンビニでも売っていますよ」(スギ アカツキさん) 彩りを加えるのに便利で、栄養もあるミニトマト・ブロッコリーがNGなのは意外です。さらに調理法にも注意が必要とのこと。 「基本的に夏場のお弁当は加熱調理したものが良いです。これが『食中毒菌をやっつける』なのですが、同じ加熱でも炒め物か煮物なら、水分の飛ぶ炒め物にしましょう。最も良いと言われているのは加熱して水分も飛んだ『揚げ物』です。1番怖いのはゆで野菜ですね」(スギ アカツキさん) わさびの成分で抗菌するシートもありますが、効果的なのでしょうか? 「もちろん、あのシート自体に効果はあります。ただ、抗菌シートは菌が繁殖しにくい環境を部分的に作っているだけで、敷けばお弁当箱全体が抗菌されるというわけではありません。お弁当を詰める際に菌がなるべく付かないこと、そして食材が傷みにくいものを選ぶことも同時に行う必要があります」(スギ アカツキさん)