「夏の弁当にミニトマト・ブロッコリーは危険?」食のプロに教わる“夏のお弁当”を傷めないための食材選び、調理のコツ
ごはんは梅干しと一緒に炊くことで抗菌作用が
さらに心配なのはごはんです。よく「夏は梅干しを入れれば大丈夫」という話も聞きますが、本当なのでしょうか。 「たしかに梅干しが触れている部分のお米は抗菌効果があるかもしれませんが、触れていない部分には意味がありません。なのでおにぎりに梅干しを入れて安心するのは危険!できればお米を炊くときに梅干しを入れて炊くのが良いと思います。 一緒に炊くことで米粒がクエン酸でコーティングされ抗菌され食中毒予防になります。2合炊くなら梅干し2粒くらいが目安です」(スギ アカツキさん) これはすぐにマネできそう!しかし、おかずは水分が全くないものばかり詰めるわけにもいかず、一体何なら持って行って良いの?!と悩んでしまいます。「これなら大丈夫」な食材はあるのでしょうか? 「確実なのはパッケージされているものです。空気に触れないことも大事なのでカップゼリーやレトルトカレーなどは安全だと思います。カレーや和惣菜はそのまま食べても良いものが多いですし、レンジがあれば加熱できます。とはいえ、あまり現実的ではないと思いますので、気温が30℃を超える日で、置いておく環境が涼しくない場合はお弁当を持参すること自体避けてほしいですね。どうしてもお弁当を持参しなければいけない場合は、しっかりとおかずの熱を冷ましてから、お弁当箱に保冷機能のあるお弁当箱やお弁当袋を使用するか、保冷剤で冷やしながら持ち歩いてくださいね」(スギ アカツキさん) 職場や学校が冷房完備、もしくは冷蔵庫に入れられる環境だったとしても、家から持ち歩く際に悪くなってしまう恐れもあるということ。真夏はいつも以上に最新の注意を払って、お弁当準備をするのがよいでしょう。 ■スギ アカツキさん 食文化研究家、スーパーマーケット研究家。 東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどの各種メディアで活躍中。国内外の食情報にも詳しく、食テーマについてのやさしく、わかりやすい説明に定評がある。 取材・文/松本果歩
MonoMaxWeb編集部