城島健司編 25年から球団CBO「すごくいいと思う」根っからの野球小僧 「60歳まで投げ続けたいけど…」打撃投手の極意も語る
「繊細で難しいんやけど、それをいかに簡単に考えられるか。俺は失敗してもどうにかなるやろ、と思う性格。必要以上に悩まない。寝たら忘れる。これが打撃投手の性分に合っていたのかも。1球でイップスになってしまい1、2年で辞める人もたくさんいる。現役時代に制球で勝負していた人でもね。コントロールって教えてよくなるものじゃないし、ストライクが入らなくなるのは技術よりも精神的なものが一番でかいと思う。『いい球投げてやりたい、いい球投げて打たさなきゃ』という気持ちから狂ってしまう」
――今後の目標は
「60歳まで投げ続けたいけど、本音はほかの仕事に就くことを想像したくないから1年でも長く、って感じかな。これまでスコアラーを兼任した時期もあったけど、集中力を持って試合を見るの、結構大変よ…」
――昨年6月にテレビのスポーツ番組で、藤川球児氏(現阪神監督)に取材されたのを機に初の著書を10月に出版
「なんで俺が選ばれたのか、よく分からない。こんな機会ないよ。打撃投手は誰でもできる仕事ではないってことを本を通じてファン、球団の方にも分かってほしいと願っています。ジョーからは本が出た後、『今まで打撃投手で本出す人なんていました!? さすがにおらんでしょ。浜さん、すごいっすね!』ってツッコまれた。冥土の土産になりましたわ(笑)」 (おわり)
■浜涯泰司(はまぎわ・やすじ) 1970年10月3日、鹿児島県出身。鹿児島商工(現樟南高)、九州国際大から1992年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入り。99年限りで現役引退、翌年より打撃投手に転身。井口資仁(前ロッテ監督)、城島健司(現ソフトバンク球団CBO兼会長付特別アドバイザー)を皮切りに今季は柳田悠岐、近藤健介、中村晃らを担当。プロ通算58試合登板、1勝1敗1セーブ。防御率5.00。10月9日に初の著書「職業・打撃投手」(ワニブックスPLUS新書)を出版した。