時間を蝕むマイクロタスクたち
回し車の中のハムスター状態
ふさわしくない場所に仕事を持ち込むのは、仕事と私生活の境界線を更に曖昧にすることにつながる。逆もまたしかりだ。家でのマイクロワークを許容することは、プライベートのやることリストを職場に持ち込むことにつながるのだ。仕事中に買い物をしたり、バカンスの予約をしたり、役所の書類を片付けたり...と。 「こうした行動は時間の配分を非常に曖昧にしてしまいます」とサラ・ジトゥニさんは指摘する。「これはエンドレスです。やらなければならないことは常にあるので、制限しなければ今やるべきことを容易に見失ってしまいます。」それを避けるためには、はっきりとした線引きが必要だ。その日に達成したことや進捗状況を整理し、一日の仕事に終止符を打つことで、その後のプライベートな時間を満喫できるようになる。可能であればケータイも仕事用と個人用の二台持ちをしたり、"サイレントモード"に切り替えたりしてみよう。物理的に二つの世界を分けるのだ。不急の通知は21時半以降には鳴らないようにする。
全てが緊急ならば、何も緊急でないのに等しい
それに、思い出していただきたいのは、そもそもメールやインスタント・メッセージは緊急事態のためのものではないということだ。「もし誰かが今すぐにあなたを必要としているならば電話をかけてくるでしょう」とサラ・ジトゥニさんは断言する。「さらに言えば、他人の緊急事態に毎回付き合う必要もありません。優先事項は人さまざまで、誰もがそれに対処しなければならないのですからね。」マイクロタスクから解放されるための最初のステップは、少し距離を置いて重要かつ緊急性のあるものとそれ以外のものを区別し、優先順位を定めること。「マイクロワークをしていると、"生産性"の定義を忘れがちです。それは時間と快適さを手にすることで、優先事項をはっきりさせることによってしか得ることができません」とコーチのキャリーヌ・トリウリエさんはコメントする。本当の緊急事態を知らせ合うために、特定の人(上司や同僚など)とは何かしらの連絡方法を決めておくのもいいかもしれない。それ以外のことは次の出勤日まで待ってもらえばいいことになる。