県政をどう評価? どう立て直す? 過去最多7人の立候補確定 兵庫県知事選告示
前知事の失職に伴う兵庫県知事選が31日に告示され、17日間の選挙戦がスタートした。過去最多となる7人の争いが確定し、各候補者は街頭で政策などを訴えた。告発文書問題で停滞した県政の立て直しや前知事の県政運営への評価、知事の資質などが争点となる。投開票日は17日。(知事選取材班) 【百条委ドキュメント】斎藤知事、処分急がせた指示否定「記憶ない。全く言ってない」 立候補したのは届け出順にいずれも無所属で、前参院議員の清水貴之氏(50)▽前尼崎市長の稲村和美氏(52)▽前知事の斎藤元彦氏(47)▽病院院長の大沢芳清氏(61)=共産推薦▽レコード会社社長の福本繁幸氏(58)▽政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)▽ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)。 日本維新の会を離党し、立候補で参院議員を自動失職した清水氏は街頭で、アナウンサーの経歴を踏まえ「話すだけでなく聞くことも得意。県庁を立て直すため職員や県議会、県民とコミュニケーションを重ねる」とアピールした。観光振興による経済活性化を掲げ「兵庫の悪い印象を拭い、元気にしたい」と訴えた。 稲村氏は「県政の混乱に終止符を打つ」との思いから、県庁の前で第一声。「風通しの良い県庁をつくる」と呼びかけた。街頭では、尼崎市長として取り組んだ財政再建の実績を挙げ、「対話をしながら抜本的な改革を進める」と主張。文書問題での県の対応を検証し、市町の実情に応じた子育て支援も図るとした。 県議会の不信任決議を受けて失職した斎藤氏は街頭演説で「多くの県民の皆さんにご心配をおかけして大変申し訳ない」と陳謝。その上で、県庁舎建て替え計画の凍結や65歳以上の県職員OBの天下り見直しなどを断行したとし「改革の歩みを止められない。旧態依然の県政に戻すわけにいかない」と声を張り上げた。 大沢氏は神戸市内の診療所などを巡り、医師の視点を生かして医療や福祉の制度改革を訴えた。駅前などでも遊説し、文書問題での前知事の対応を批判。「県政の根幹を正していく」と力を込めた。 福本氏は「高齢者と若者が協力する社会」を主張し「県政を変えよう」と呼びかけた。立花氏と木島氏も街頭で訴えを展開した。 【告発文書問題】兵庫県西播磨県民局長だった男性が3月、斎藤元彦前知事のパワハラ疑惑など7項目を挙げた告発文書を作り、関係者らに送付した。4月に県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めて誹謗(ひぼう)中傷と認定し、5月に停職3カ月の懲戒処分とした。これに対し調査の中立性を疑う声が噴出し、県議会が6月、調査特別委員会(百条委員会)を設置。証言する予定だった男性は7月に自死した。斎藤氏は8~9月、百条委で2回証言。9月19日、県議会は斎藤氏の不信任決議を可決。同月26日、斎藤氏は30日付で自動失職し、出直し選に出馬する意向を表明した。 【特集ページ】県知事選2024