えっ、パンジー&ビオラが切り花に!?個性派品種を手掛ける佐藤さんに聞く最新情報【趣味の園芸10月号こぼれ話・前編】
『趣味の園芸』2024年10月号は、年々盛り上がりを見せる「パンジー&ビオラ」の魅力をぎっしり詰め込んだ46ページの保存版特集。オリジナル品種には熱狂的なファンも多い育種家・生産者の佐藤 勲さんにご登場いただき、なぜこんなにもパンジー、ビオラが愛されるのか、近年のブームを牽引してきた佐藤さんに、進化し続ける花の可能性を教えていただきました。 みんなのパンジー&ビオラの写真 日本のパンジー、ビオラの魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい。そんな思いから、佐藤さんは今、2つの新しい挑戦をされているそう。誌面に入りきらなかった最新情報を「こぼれ話」で詳しく伺います。どうぞお楽しみください!
あの人気品種が切り花に!? 今年の冬は生花店も要チェック
―佐藤さんのハウスで取材中、テーブルの上の花瓶に切り花を発見。 編集部(以下、編):切り花にしてもやっぱり存在感がありますね。 佐藤 勲(以下、佐):ありがとうございます。そういえば、今年の冬、うちの花が切り花になるんですよ。上の写真はハウスの株からただ切ったものですが。 編:え!? 佐藤さんが作出した品種が、切り花でも流通するということですか?
佐:そうです。今年の冬からローブ・ドゥ・アントワネットとエッグタルトの2品種が切り花でも出回ります。 編:びっくりです! よろこぶ方もきっと多いですね。切り花になるということは、花茎のすごく長いエッグタルトやローブ・ドゥ・アントワネットを育種されたのでしょうか? 佐:たしかに、そういうイメージがありますよね(笑)。でも違います。タネは、苗で出回るものと同じものです。うちのタネからプラグ苗をつくり、それを同じ群馬県の切り花生産者さんに託して、切り花としてつくってもらうんです。 編:そうなのですね。バラやジニアなど、ほかの花には切り花用の品種もあるので、てっきり「切り花エッグタルト」や「切り花アントワネット」を佐藤さんがつくったのかと思いました。 佐:パンジーにも切り花用の品種はあります。が、今回の場合、品種は普通なのに、それを花茎30~40cmでつくってしまうんです。 編:そんなことができるのですか!?