【JD-STER第2戦レポート】ストリートE.T.は楽しんだモノ勝ち!
実際のスタートのワンシーンがこちら(左写真)。14秒450で申告した左レーン・RZ350の小橋清隆選手(左)と、10秒400申告の右レーン・KATANAの前田憲明選手の対決だ。申告差となった4秒050先にスタートした小橋選手を追おうとする、前田選手側のスタートシステムはまだ1秒前のアンバーランプが点いている状態。そのスタートシステムの下の電光掲示板には、L=小橋選手のリアクションタイム(R.T.)、R=まだスタート前の前田選手の申告タイムが表示されている。前田選手がスタートすれば、こちらもR.T.が表示される。このタイムラグのあるスタートに慌てず焦れず、いかに対応できるかも勝負のポイントなのだ。 ここまででルールを難しく感じるかもしれないが、注目すべきはこれによって排気量やパワーなどのマシン差が帳消しとなること。言い替えればどんなバイクでも戦える。いかに現状の自分を理解したタイム申告ができるか、理想通りの走りができるかが勝負のポイントなのだ。まさにライダーの『腕』と『自らを俯瞰する力』、そして走行時の『冷静さ』がモノをいうクラスというわけ。 「しまった! 申告より速く走りすぎたかもしれない」なんて、走行中にスロットルを緩める...というのも同クラスならではの話だろう。 そんなストリートE.T.では、小排気量車がビッグバイクを倒すジャイアントキリングが少なからず目撃されるし、2023年シーズンのシリーズチャンピオンがNinja ZX-25R(中村 進選手)というあたりも、同クラスの楽しさと難しさの、何よりの証明と言えるのではないか。 最近ではストリートE.T.の奥深さを知って、街乗りのライトカスタムやあえてミニバイクでチャレンジするライダーも急増中だ。念のため書き加えれば、先の中村 進選手(実はJD-STERが始まった2004年以前からドラッグレースを楽しむ大ベテランでもある)のNinja ZX-25Rは、マフラーすら換えられていないストックバイクだったりする。