午前はサッカー、午後は農作業「ヴェロスクロノス都農」…選手の半数が地域おこし協力隊員「昇格で恩返しを」
宮崎県都農町を拠点とするサッカーチーム「ヴェロスクロノス都農」が今季、10チームが加盟する九州リーグで優勝し、8日開幕の全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(CL)に出場する。選手の約半数は地域おこし協力隊員。午前中にサッカー、午後から農作業などに取り組みながら全国大会への準備を進めている。 【写真】サッカーなでしこ1部ヴィアマテラス宮崎、昇格1年目でリーグ優勝
「左から来るよ」「ナイス!」。9月下旬、宮崎県新富町のグラウンドで、主将のDF柳田健太選手(28)ら約30人が激しく体をぶつけ合っていた。
その日の午後、柳田選手は都農町の牛舎にいた。協力隊員としての任務は飼料作りや餌やり。「最初は大変だったけど、仕事は楽しい」と声を弾ませた。
全選手32人のうち、15人が協力隊員だ。小寺真人監督(36)が「安定した収入があるから選手はサッカーに集中できる」と言うように、この取り組みが奏功し、今季は16勝1分け1敗でリーグ連覇を達成した。
「主導権を握って攻める」が持ち味。今季加入のFW山田雄太選手(32)がリーグ最多の20得点、MF永吉広大選手(25)が最多タイの11アシストで牽引した。
CLには全国の地域リーグなどを勝ち抜いた12チームが参加。日本フットボールリーグ(JFL)参入をかけて戦う。柳田選手は「今年こそ昇格し、町民に恩返ししたい」と意気込みを語る。(古島弘章)